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帰雁(銭起)

歸雁
がん
せん
  • 〔出典〕 『唐詩選』巻七、『三体詩』七言絶句 実接、『全唐詩』巻二百三十九、『銭考功集』巻十、他
  • 七言絶句。囘・苔・來(平声灰韻)。
  • ウィキソース「歸雁 (錢起)」参照。
  • 雁 … 「鴈」に作るテキストもある。同義。
  • 銭起 … 710?(722?)~780?。中唐の詩人。呉興(浙江省)の人。あざなは仲文。天宝十載(751)、進士に及第。郎士元とともに「銭郎」と称された。ウィキペディア【銭起】参照。
瀟湘何事等閑囘
瀟湘しょうしょう 何事なにごとぞ 等閑とうかんかえ
  • 瀟湘 … 瀟水と湘水。洞庭湖に南から流れこむ川の名。
  • 何事 … どういうわけで。どうして。
  • 等閑 … 心にかけない。気にとめない。問題にしない。
  • 回 … 北へ帰って行くのか。
水碧沙明兩岸苔
みずみどりすなあきらかにしてりょうがんこけむす
  • 水碧 … 水は青く澄んで。
  • 沙明 … 砂は白く輝いて。
  • 両岸苔 … 両方の岸にはみずみずしい苔が生じている。
二十五絃彈夜月
じゅうげん げつだんずれば
  • 二十五絃 … 二十五弦のおおごと
  • 弾夜月 … 月夜の空に向かって弾く。月の光の下で弾く。
不勝清怨卻飛來
清怨せいえんえずして きゃくきた
  • 清怨 … 清らかで哀怨な調べ。清く哀れな音。
  • 不勝 … 堪えきれず。堪えかねて。「不堪」と同じ。
  • 却飛来 … 南方の瀟湘から北方へ帰ること。「来」は助辞。意味はない。簡野道明『唐詩選詳説』(明治書院、昭和四年)では「きゃくせるならん」と読んでいる。また、「来」を助辞と見ない場合は「かえってたらん」と読み、「一度北方へ飛び立ったが、また南方へ飛び帰ってくる」という解釈になる。
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