>   漢詩   >   唐詩選   >   巻六 五絶   >   秋風引(劉禹錫)

秋風引(劉禹錫)

秋風引
しゅうふういん
りゅうしゃく
  • 〔テキスト〕 『唐詩選』巻六、『全唐詩』巻三百六十四、他
  • 五言絶句。群・聞(上平声文韻)。
  • ウィキソース「秋風引 (劉禹錫)」参照。
  • 引 … 楽府題の一つ。「曲」「歌」と同じ。
  • 劉禹錫 … 772~842。中唐の詩人。あざな夢得ぼうとくちゅうざん(河北省)の人。貞元九年(793)、柳宗元とともに進士に及第。王叔文らの政治改革に加わり、僻地に左遷された。太和二年(828)に長安に復帰。その後も都と地方の諸官を歴任。開成元年(836)、太子賓客となった。柳宗元とは無二の親友。晩年は白居易とも親交があり、白居易は彼を「詩豪」と称賛した。『劉賓客文集』30巻、『外集』10巻がある。ウィキペディア【劉禹錫】参照。
何處秋風至
いずれのところよりか しゅうふういた
  • 何処 … 「いずれのところよりか」と読み、「どこから」と訳す。
蕭蕭送雁羣
蕭蕭しょうしょうとして 雁群がんぐんおく
  • 蕭蕭 … 風がものさびしく吹く形容。
  • 雁群 … 雁の群れ。
  • 送 … (秋風が雁の群れを)送り出している。
朝來入庭樹
ちょうらい 庭樹ていじゅ
  • 朝来 … 朝がた。「来」は助辞。「~このかた」「~から今まで」の意を表す。『唐文粹』(『四部叢刊 初編集部』所収)では「今朝」に作る。
  • 庭樹 … 庭先の木々。魏の曹植「ていに贈る」詩(『文選』巻二十四)に「初秋に涼気発し、庭樹はすこしくしょうらくす」(初秋涼氣發、庭樹微銷落)とある。銷落は、枯れ落ちること。ウィキソース「贈丁儀」参照。また、西晋の潘岳「秋興しゅうきょうの賦」(『文選』巻十三)に「庭樹さくとして以て灑落しゃらくし、勁風けいふうれいとしてとばりを吹く」(庭樹槭以灑落兮、勁風戾而吹帷)とある。秋興は、秋に感じる情趣。槭は、葉がしぼんで落ちるさま。灑落は、葉がさらりと落ちること。勁風は、強い風。ウィキソース「秋興賦」参照。
  • 入 … (秋風が)入ってくる。「るを」と読んでもよい。
孤客最先聞
かく もっとさき
  • 孤客 … 孤独な旅人。作者自身を指す。
  • 最先聞 … 誰よりもまっ先に聞きつけた。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行