野望(王績)
野望
野望
野望
東皐薄暮望
東皐 薄暮に望み
- 東皐 … 東の丘。「皐」は、本来は沢の意であるが、ここでは沢の周囲の小高い所を指す。
- 薄暮 … 日暮れがせまるころ。
徙倚欲何依
徙倚 何くに依らんと欲する
- 徙倚 … さまよい歩く。うろうろする。
- 欲何依 … どこに身を落ちつけようというのだろう。
樹樹皆秋色
樹樹 皆 秋色
- 樹樹 … 木々。
- 秋色 … 黄葉して秋らしい色になること。南朝斉の謝朓「三湖を望む」詩に「葳蕤として 向には春秀なるも、芸黄として 共に秋色なり」(葳蕤向春秀、芸黄共秋色)とある。葳蕤は、草木の勢いが盛んなさま。春秀は、春の花や草木の若々しさ。芸黄は、草木が枯れること。ウィキソース「古詩紀 (四庫全書本)/卷071」参照。また、北周の王褒の楽府「関山月」(『楽府詩集』巻二十三)に「関山 夜月明るく、秋色 孤城を照らす」(關山夜月明、秋色照孤城)とある。こちらの秋色は、月の光を指す。ウィキソース「樂府詩集/023卷」参照。
- 秋 … 『全唐詩』には「一作春」と注する。
山山惟落暉
山山 惟 落暉
- 落暉 … 沈む太陽の光。
牧人驅犢返
牧人 犢を駆って返り
- 牧人 … 牛飼い。
- 犢 … 子牛。
獵馬帶禽歸
猟馬 禽を帯びて帰る
- 猟馬 … 猟に用いる馬。
- 禽 … 鳥や獣。禽獣。
- 帯 … 鞍にくくりつけて。
相顧無相識
相顧みるに相識無く
- 相顧 … あたりを見まわしても。ここでの「相」は語勢を添える助辞で、「互いに~」の意はない。
- 相識 … 知り合い。
長歌懷采薇
長歌 采薇を懐う
- 長歌 … (采薇の歌を)声を長く引き伸ばして歌うこと。
- 采薇 … 伯夷と叔斉は、周の武王が殷の紂王を討とうとしたのを諫めたが聞き入れられなかった。彼らは周に仕えることを恥じ、「周の粟を食まず」と誓って首陽山に隠れて薇を采って食べ、ついには餓死したという故事。「采薇の歌」は彼らが餓死するときに作ったといわれる歌。ウィキペディア【伯夷・叔斉】参照。
- 懐 … 思い出される。
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