>   唐詩選   >   巻三 五言律詩   >   野望(王績)

野望(王績)

野望ぼう
王績おうせき     
  • 五言律詩。依・暉・歸・薇(平声微韻)。
  • 『全唐詩』巻37所収。ウィキソース「野望 (王績)」参照。
  • 野望 … 野原のながめ。
  • 王績 … 585~644。初唐の詩人。こうしゅう竜門(山西省しん県)の人。あざなは無功。隋の王通(おうとう・おうつう、文中子)の弟。『東皐とうこう集』3巻がある。ウィキペディア【王績】参照。
東皐薄暮望
東皐とうこう はくのぞ
  • 東皐 … 東の丘。「皐」は、本来はさわの意であるが、ここでは沢の周囲の小高い所を指す。
  • 薄暮 … 日暮れがせまるころ。
徙倚欲何依
徙倚しい いずくにらんとほっする
  • 徙倚 … さまよい歩く。うろうろする。
  • 欲何依 … どこに身を落ちつけようというのだろう。
樹樹皆秋色
樹樹じゅじゅ みな 秋色しゅうしょく
  • 樹樹 … 木々。
  • 秋色 … 黄葉して秋らしい色になること。
  • 秋 … 『全唐詩』には「一作春」との注がある。
山山惟落暉
山山やまやま ただ らっ
  • 落暉 … 沈む太陽の光。
牧人驅犢返
牧人ぼくじん こうしってかえ
  • 牧人 … 牛飼い。
  • 犢 … 子牛。
獵馬帶禽歸
りょう きんびてかえ
  • 猟馬 … 猟に用いる馬。
  • 禽 … 鳥や獣。禽獣。
  • 帯 … 鞍にくくりつけて。
相顧無相識
あいかえりみるに相識そうしき
  • 相顧 … あたりを見まわしても。ここでの「相」は語勢を添える助辞で、「互いに~」の意はない。
  • 相識 … 知り合い。
長歌懷采薇
ちょう さいおも
  • 長歌 … (采薇の歌を)声を長くひきのばして歌うこと。
  • 采薇 … 伯夷と叔斉は、周の王が殷のちゅう王を討とうとしたのを諫めたが聞き入れられなかった。彼らは周に仕えることを恥じ、「周のぞくまず」と誓って首陽山に隠れてわらびって食べ、ついには餓死したという故事。「采薇の歌」は彼らが餓死するときに作ったといわれる歌。ウィキペディア【伯夷・叔斉】参照。
  • 懐 … 思い出される。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
漢詩 詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行