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滕王閣(王勃)

滕王閣滕王閣とうおうかく
王勃おうぼつ     
  • 七言古詩。渚(上声語韻)舞・雨(上声麌韻)通押、悠・秋・流(下平聲尤韻)。換韻。
  • 『全唐詩』巻55所収。ウィキソース「滕王閣詩」参照。
  • この詩は七言八句で構成されているのは七言律詩のように見えるが、途中で換韻されているので七言古詩に分類される。
  • 滕王閣 … 唐の高祖の末子で滕王に封ぜられた元嬰げんえいが、こうしゅう(今の江西省南昌市)に建てた楼閣の名。ウィキペディア【滕王閣】参照。
  • 王勃 … 649~676。初唐の詩人。こうしゅう竜門(山西省しん県)の人。あざなは子安。王績の兄である王通(おうとう・おうつう、文中子)の孫。初唐四傑(王勃・楊炯・盧照鄰・駱賓王)の一人に数えられる。ウィキペディア【王勃】参照。
滕王高閣臨江渚
滕王とうおう高閣こうかく 江渚こうしょのぞ
  • 滕王高閣 … 滕王元嬰げんえいの建てた楼閣。ウィキペディア【李元嬰】参照。
  • 江渚 … 贛江かんこうのなぎさ。ウィキペディア【カン江】参照。
珮玉鳴鸞罷歌舞
はいぎょく鳴鸞めいらん 歌舞かぶみたり
  • 珮玉 … 腰にさげる玉。
  • 鳴鸞 … 天子の車につける鈴。鳴鑾めいらん
  • 罷 … 終わる。お終いになる。今はもうない。
畫棟朝飛南浦雲
とう あしたなんくも
  • 画棟 … 彩色したむな
  • 朝 … あさごとに。
  • 飛 … 飛び交う。
  • 南浦 … 南の入り江。南昌の西南に実際に南浦と呼ばれる入り江があるという。
朱簾暮捲西山雨
朱簾しゅれん くれ西山せいざんあめ
  • 朱簾 … 朱塗りのすだれ。『全唐詩』では「珠簾」に作る。こちらは玉すだれ。
  • 暮捲 … 夕暮れに(すだれを)巻き上げる。
  • 西山 … 南昌の西にある山の名。
閒雲潭影日悠悠
間雲かんうん潭影たんえい 悠悠ゆうゆう
  • 間雲 … 静かに流れる雲。「閑雲」に作るテキストもある。
  • 潭影 … 深い淵の色。
  • 日悠悠 … 日ごと日ごと、のどかな姿を見せている。「日」は「ひびに」と読んでもよい。
物換星移幾度秋
ものかわほしうつりて 幾度いくたびあき
  • 物換 … 事物が変わってゆくこと。万物が移ろうこと。
  • 星移 … 星が動いてゆく。歳月が経つこと。
  • 幾度秋 … 幾たびの秋が過ぎたことか。「度幾秋」(いくしゅうをかわたりし)に作るテキストもある。
閣中帝子今何在
かくちゅうてい いまいずくにか
  • 閣中 … 高殿たかどのにおられた。
  • 帝子 … みかどの子。滕王李元嬰を指す。
  • 今何在 … 今どこにおわすのか。
檻外長江空自流
檻外かんがいちょうこう むなしくおのずからなが
  • 檻外 … (滕王閣の)手すりの外。「檻」は手すり、欄干らんかん
  • 長江 … 通常は揚子江を指すが、滕王閣からは見えない。ここでは長い川という意味で、贛江かんこうを指す。前野直彬『唐詩選(上)』(岩波文庫)に「揚子江」とあるのは誤り。
  • 空自流 … 昔と変わらず、むなしく滔々と流れている。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
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