題西林壁(蘇軾)
題西林壁
西林の壁に題す
西林の壁に題す
- 〔テキスト〕 『集註分類東坡先生詩』巻七(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
- 七言絶句。峰(平声冬韻)、同・中(平声東韻)通用。
- ウィキソース「題西林壁 (蘇軾)」参照。
- 元豊七年(1084)、四十九歳の作。
- 西林 … 寺の名。西林寺。廬山(江西省九江市南部)のふもとに西林寺と東林寺があった。晋代に開創。1996年に再建。
- 題~壁 … 壁に詩を書きつけること。
- 蘇軾 … 1036~1101。北宋の文学者・詩人。眉山(四川省)の人。字は子瞻、号は東坡居士。蘇洵の子、蘇轍の兄。嘉祐二年(1057)、弟とともに進士に及第。王安石の新法に反対したため左遷された。唐宋八大家の一人。著作集に『東坡全集』がある。ウィキペディア【蘇軾】参照。
橫看成嶺側成峰
横より看れば嶺を成し 側よりは峰と成る
- 横看 … 横の方から眺めわたすと。
- 成嶺 … 連なった山になる。
- 側 … すぐそばから見上げると。「側」の下に「看」の字が省略されていると考えると理解しやすい。
- 成峰 … 鋭く聳える峰となる。
遠近高低無一同
遠近 高低 一も同じきは無し
- 遠近 … 距離の遠さと近さ。
- 高低 … 高いことと低いこと。
- 無一同 … どれ一つとして同じものはない。「総不同」「各不同」に作るテキストもある。
不識廬山真面目
廬山の真面目を識らざるは
- 廬山 … 山の名。江西省九江市の南方にある。ウィキペディア【廬山】参照。
- 真面目 … 本来の姿。
- 不識 … わからないのは。
只緣身在此山中
只 身の此の山中に在るに縁る
- 只 … 「ただ」と読み、「ただ~だけだ」と訳す。限定の意を表す。
- 身在此山中 … 自分が廬山の山の中に身を置いている。
- 縁 … ~という理由からである。
こちらもオススメ!
歴代詩選 | |
古代 | 前漢 |
後漢 | 魏 |
晋 | 南北朝 |
初唐 | 盛唐 |
中唐 | 晩唐 |
北宋 | 南宋 |
金 | 元 |
明 | 清 |
唐詩選 | |
巻一 五言古詩 | 巻二 七言古詩 |
巻三 五言律詩 | 巻四 五言排律 |
巻五 七言律詩 | 巻六 五言絶句 |
巻七 七言絶句 |
詩人別 | ||
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | は行 | ま行 |
や行 | ら行 |