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恵崇春江暁景二首 其一(蘇軾)

惠崇春江曉景二首 其一
すうしゅんこうぎょうけい しゅ いち
しょく
  • 〔テキスト〕 『集註分類東坡先生詩』巻二十四(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。枝・知・時(平声支韻)。
  • ウィキソース「惠崇春江曉景二首(亦作書袞儀所藏惠崇畫二首)」参照。
  • 元豊八年(1085)、五十歳の作。十二月、開封かいほう(北宋の首都)に帰ったのちの作。
  • 恵崇 … 宋初の画僧。建陽(福建省)の人。北宋山水画の三大家の一人で、特にかりさぎちょうなどの絵を得意とした。また、詩人でもあり、九僧の一人としても知られる。
  • 春江暁景 … 恵崇の絵の題。「春江」は春の川。「暁景」は明け方の景色。『集註分類東坡先生詩』等では「春江晩景」に作る。この詩は画題詩であって、実景を詠じたものではない。
  • 蘇軾 … 1036~1101。北宋の文学者・詩人。ざん(四川省)の人。あざなせん、号はとう居士。じゅんの子、てつの兄。嘉祐二年(1057)、弟とともに進士に及第。王安石の新法に反対したため左遷された。唐宋八大家の一人。著作集に『東坡全集』がある。ウィキペディア【蘇軾】参照。
竹外桃花三兩枝
竹外ちくがいとう さんりょう
  • 竹外 … 竹の生えている向こう側。
  • 桃花 … 桃の花。
  • 三両枝 … ふたえだえだ。枝が二、三本。「両三枝」と同じ。平仄の都合で逆にしたものと思われる。
春江水暖鴨先知
しゅんこう みずあたたかにして かも
  • 春江 … 春の川。
  • 水暖 … 水がぬるくなる。
  • 鴨 … 鴨の群れ。
  • 先知 … 真っ先に感知する。
蔞蒿滿地蘆芽短
蔞蒿ろうこうち 蘆芽ろがみじか
  • 蔞蒿 … よもぎの一種。やまよもぎ。おひたしにするとフグの毒を消すという。
  • 満地 … 一面に生い茂る。
  • 蘆芽 … あしの芽。スープにするとフグの毒を消すという。
  • 短 … まだ短い。
正是河豚欲上時
まされ 河豚ふぐのぼらんとほっするとき
  • 正是 … ちょうど今~である。
  • 河豚 … フグ。揚子江などの大川に生息する淡水産で、味が上等の豚肉に似ていることから「河豚」というらしい。
  • 欲上時 … 川をさかのぼってくる時期。
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