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贈劉景文(蘇軾)

贈劉景文
劉(りゅう)景文(けいぶん)に贈(おく)る
蘇(そ)軾(しょく)
  • 〔テキスト〕 『集註分類東坡先生詩』巻二十五(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。枝・時(上平声支韻)。
  • ウィキソース「贈劉景文」参照。
  • 元祐五年(1090)、五十五歳、杭州(浙江省杭州市)の知事在任中の作。
  • 劉景文 … 1033~1092。名は季孫。景文は字。開封(かいほう)祥符(河南省開封市)の人。西夏の李(り)元昊(げんこう)と戦って死んだ将軍劉(りゅう)平(へい)の末子。この時、杭州で民兵の部隊を率いていた。蘇軾は彼を評価し、朝廷に推薦している。
  • 蘇軾 … 1036~1101。北宋の文学者・詩人。眉(び)山(ざん)(四川省)の人。字(あざな)は子(し)瞻(せん)、号は東(とう)坡(ば)居士。蘇(そ)洵(じゅん)の子、蘇(そ)轍(てつ)の兄。嘉祐二年(1057)、弟とともに進士に及第。王安石の新法に反対したため左遷された。唐宋八大家の一人。著作集に『東坡全集』がある。ウィキペディア【蘇軾】参照。
荷盡已無擎雨蓋
荷(はす)は尽(つ)きて 已(すで)に雨(あめ)を擎(ささ)ぐるの蓋(かさ)無(な)く
  • 荷尽 … はすの葉がすっかり枯れてしまった。荷は、はす。
  • 已無 … もう~ない。
  • 擎 … 高く差し上げること。
  • 蓋 … 傘。傘としての、はすの葉。
菊殘猶有傲霜枝
菊(きく)は残(おとろ)えて 猶(な)お霜(しも)に傲(おご)るの枝(えだ)有(あ)り
  • 残 … 咲き衰える。「ざんして」「そこなわれて」と読んでもよい。
  • 猶 … 「なお」と読み、「それでもなお」と訳す。「猶」は「なお~のごとし」と読む再読文字であるが、ここでは再読しない。
  • 傲 … めげぬ。(霜に)負けないこと。
  • 枝 … 一枝。
一年好景君須記
一年(いちねん)の好景(こうけい) 君(きみ) 須(すべか)らく記(き)すべし
  • 一年 … 一年のうちで。
  • 好景 … 最も景色のよい時期。
  • 景 … 『集註分類東坡先生詩』等では「處」に作る。
  • 須記 … よく覚えておいてほしい。
  • 須 … 「すべからく~べし」と読み、「ぜひ~する必要がある」「~するべきだ」と訳す。再読文字。
最是橙黃橘綠時
最(もっと)も是(こ)れ 橙(とう)は黄(き)に 橘(きつ)は緑(みどり)なる時(とき)
  • 最是 … 何よりまして。中でも一番よいのは。
  • 最 … 「正」に作るテキストもある。
  • 橙 … ゆず。だいだいではない。
  • 橘 … みかんの類。
  • 橙黄橘緑時 … 「橙黄(とうこう)橘(きつ)緑(りょく)の時(とき)」とも読む。ゆずが黄色になり、みかんが緑色になるとき。初冬の頃のこと。
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