六月二十七日望湖楼酔書五絶 其一(蘇軾)
六月二十七日望湖樓醉書五絶 其一
六月二十七日、望湖楼にて酔うて書す 五絶 其の一
六月二十七日、望湖楼にて酔うて書す 五絶 其の一
- 〔テキスト〕 『集註分類東坡先生詩』巻九(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
- 七言絶句。山(平声刪韻)、船・天(平声先韻)通用。
- ウィキソース「六月二十七日望湖樓醉書」参照。
- 六月二十七日 … 熙寧五年(1072)、三十七歳の作。
- 望湖楼 … 杭州(浙江省杭州市)の西湖のほとり、昭慶寺の前にあった楼閣。また、杭州城内の鳳凰山にあったとする説もある。
- 酔書 … 酒の酔いにまかせて書きつける。
- 五絶 … 絶句五首。
- 蘇軾 … 1036~1101。北宋の文学者・詩人。眉山(四川省)の人。字は子瞻、号は東坡居士。蘇洵の子、蘇轍の兄。嘉祐二年(1057)、弟とともに進士に及第。王安石の新法に反対したため左遷された。唐宋八大家の一人。著作集に『東坡全集』がある。ウィキペディア【蘇軾】参照。
黑雲翻墨未遮山
黒雲 墨を翻えして 未だ山を遮らず
- 黒雲 … 黒い雲。真っ黒な雲。
- 翻墨 … 墨をぶちまけたかのように。墨つぼをひっくり返したかのように。
- 未遮山 … まだ山をすっかり隠してはいない。
白雨跳珠亂入船
白雨 珠を跳らせて 乱れて船に入る
- 白雨 … 夕立の白く見える雨滴。「黒雲」と対になっている。
- 跳珠 … 真珠をまき散らしたように。
- 乱入船 … ばらばらと船の中に飛び込む。ばらばらと船の中に降り込む。
卷地風來忽吹散
地を巻き 風来って 忽ち吹き散ず
- 巻地 … 大地を捲き上げるように。強風が吹きまくる。
- 吹散 … 雨雲を吹き飛ばしてしまう。
望湖樓下水如天
望湖楼下 水 天の如し
- 水如天 … 湖面に大空が広く映っている。
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