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澄邁駅通潮閣二首 其二(蘇軾)

澄邁驛通潮閣二首 其二
ちょうまいえきつうちょうかく しゅ
しょく
  • 〔テキスト〕 『集註分類東坡先生詩』巻一(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。村・魂・原(平声元韻)。
  • ウィキソース「澄邁驛通潮閣二首」参照。
  • 元符三年(1100)六月、六十五歳の作。
  • 澄邁駅 … 海南島の北岸、海南省澄邁県の宿駅。ウィキペディア【澄邁県】参照。
  • 通潮閣 … 澄邁駅にあった楼閣。
  • 蘇軾 … 1036~1101。北宋の文学者・詩人。ざん(四川省)の人。あざなせん、号はとう居士。じゅんの子、てつの兄。嘉祐二年(1057)、弟とともに進士に及第。王安石の新法に反対したため左遷された。唐宋八大家の一人。著作集に『東坡全集』がある。ウィキペディア【蘇軾】参照。
餘生欲老海南村
せい いんとほっす 海南かいなんむら
  • 余生 … 残りの人生。
  • 欲老 … 老いてゆきたいと思う。老いの人生を送るつもりである。
  • 海南村 … 海南島の村。
帝遣巫陽招我魂
てい ようをして こんまねかしむ
  • 帝遣巫陽招我魂 … 『楚辞』招魂に、屈原の霊魂がさまよっているのを天帝が憐れんで、巫陽に命じてその霊魂を呼び戻させたとあるのを踏まえ、追放されていた蘇軾が都へ戻るよう命じられたことをいう。「帝」は天帝。ここでは時の皇帝そうを指す。ウィキペディア【徽宗】参照。「巫陽」は巫女みこの名。
  • 遣 … 「遣AB」の形で「AをしてB(せ)しむ」と読み、「AにBさせる」と訳す。使役の意を示す。
杳杳天低鶻沒處
杳杳ようようとしててんれ こつぼっするところ
  • 杳杳 … はるか遠いさま。これも『楚辞』に見える語。畳語。
  • 天低 … 大空が水平線におりて来ている様子。大空が広がり垂れている様子。
  • 鶻 … はやぶさ。
  • 没 … 消える。隠れる。
靑山一髮是中原
青山せいざん 一髪いっぱつ ちゅうげん
  • 青山一髪 … 髪一筋のように見える青い山並み。
  • 是 … 「~これ…」と読み、「~は…だ」と訳す。認定の意を示す。
  • 中原 … ふつうは中国の中心とされる黄河中流域のことであるが、ここでは海南島という辺境から、中国本土を指していったもの。
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