澄邁駅通潮閣二首 其二(蘇軾)
澄邁驛通潮閣二首 其二
澄邁駅の通潮閣 二首 其の二
澄邁駅の通潮閣 二首 其の二
餘生欲老海南村
余生 老いんと欲す 海南の村
- 余生 … 残りの人生。
- 欲老 … 老いてゆきたいと思う。老いの人生を送るつもりである。
- 海南村 … 海南島の村。
帝遣巫陽招我魂
帝 巫陽をして 我が魂を招かしむ
- 帝遣巫陽招我魂 … 『楚辞』招魂に、屈原の霊魂がさまよっているのを天帝が憐れんで、巫陽に命じてその霊魂を呼び戻させたとあるのを踏まえ、追放されていた蘇軾が都へ戻るよう命じられたことをいう。「帝」は天帝。ここでは時の皇帝徽宗を指す。ウィキペディア【徽宗】参照。「巫陽」は巫女の名。
- 遣 … 「遣AB」の形で「AをしてB(せ)しむ」と読み、「AにBさせる」と訳す。使役の意を示す。
杳杳天低鶻沒處
杳杳として天低れ 鶻の没する処
- 杳杳 … はるか遠いさま。これも『楚辞』に見える語。畳語。
- 天低 … 大空が水平線におりて来ている様子。大空が広がり垂れている様子。
- 鶻 … はやぶさ。
- 没 … 消える。隠れる。
靑山一髮是中原
青山 一髪 是れ中原
- 青山一髪 … 髪一筋のように見える青い山並み。
- 是 … 「~これ…」と読み、「~は…だ」と訳す。認定の意を示す。
- 中原 … ふつうは中国の中心とされる黄河中流域のことであるが、ここでは海南島という辺境から、中国本土を指していったもの。
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