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月下独酌四首 其一(李白)

月下獨酌四首 其一
げっどくしゃくしゅ いち
はく
  • 〔出典〕 『唐詩三百首』五言古詩、『全唐詩』巻百八十二、『文苑英華』巻百九十五、『李太白文集』巻二十一(静嘉堂文庫蔵、略称:宋本)、しょういん補注『分類補注李太白詩』巻二十三(略称:蕭本)、『李翰林集』巻十八(略称:劉本、景宋咸淳本)、王琦編注『李太白全集』巻二十三(略称:王本)、他
  • 五言古詩。親・人・身・春(平声真韻)/亂・散・漢(去声翰韻)、換韻。
  • ウィキソース「月下獨酌四首」参照。
  • 月下独酌 … 『文苑英華』では「對酒」に作り、「一作月下獨酌」とある。『宋本』には題下に「長安」とある。
  • 李白 … 701~762。盛唐の詩人。あざなは太白。杜甫と並び称される大詩人で「詩仙」といわれている。ウィキペディア【李白】参照。
花間一壺酒
かん いっさけ
  • 花間 … 花の咲くもとで。花の咲いている中で。
  • 間 … 『全唐詩』には「一作下、一作前」とある。『文苑英華』では「前」に作り、「一作下」とある。
  • 一壺酒 … 酒壺さかつぼいっぱいに満ちた酒。
獨酌無相親
ひとみて あいしたしむ
  • 独酌 … 自分で自分の杯に酒をついで飲むこと。じゃくすること。
  • 無相親 … 酌み交わす親しい友人もいない。
  • 相 … ここでは「互いに」という意味ではなく、動作に相手があることを示す言葉。
舉杯邀明月
さかずきげて 明月めいげつむか
  • 挙杯 … 杯を高々とあげて。
  • 明月 … 明るく輝く月。
  • 邀 … 迎える。(客として)招き寄せる。
對影成三人
かげたいして三人さんにん
  • 影 … 地上に映った自身の影。
  • 対 … 向き合う。仲間に入れる。
  • 成三人 … (飲み仲間が)自分と自分の影と月で三人となった。
月既不解飲
つきすでむをくせず
  • 既 … もともと。
  • 不解 … 「かいせず」と読んでもよい。~できない。「不能」と同じ。
影徒隨我身
かげいたずらにしたが
  • 影 … 自分の影。
  • 徒 … ただむなしく~するだけ。
  • 随 … 付き従う。
暫伴月將影
しばらつきかげとをともないて
  • 暫 … しばらくの間。
  • 将 … 「~と」と読み、「~と」と訳す。並列の意を示す助字。「与」と同じであるが、「与」よりも口語的で軽い響きを持つ。
行樂須及春
行楽こうらく すべからくはるおよぶべし
  • 行楽 … 楽しむこと。楽しみをなすこと。
  • 須 … 「すべからく~べし」と読み、「ぜひ~する必要がある」「ぜひとも~するべきだ」と訳す。再読文字。
  • 及春 … 春のうちに。春の過ぎぬ間に。「及」は、捕まえて逃さないの意。「古詩十九首 其十五」に「たのしみをすはまさときおよぶべし」(爲樂當及時)とある。
我歌月徘徊
われうたえば つき徘徊はいかい
  • 徘徊 … さまよう。行きつ戻りつする。『全唐詩』では「裴回」に作る。
我舞影零亂
われえば かげ零乱れいらん
  • 舞 … 踊る。
  • 零乱 … ゆらゆらと乱れ動く。『文苑英華』『宋本』『景宋咸淳本』では「凌乱」に作る。意味は「零乱」とほぼ同じ。
醒時同交歡
むるとき とも交歓こうかん
  • 醒時 … 「せい」と読んでもよい。酔っていない時。
  • 同 … ともに。いっしょに。「共」と同じ。
  • 交歓 … 互いにうち解けて楽しむ。
醉後各分散
いてのち 各〻おのおの分散ぶんさん
  • 酔後 … 「すい」と読んでもよい。酔いつぶれてしまうと。
  • 各分散 … それぞれがばらばらになる。三者が別れ別れになる。
永結無情遊
ながじょうゆうむす
  • 永 … 永遠に。いつまでも。
  • 無情遊 … 人間の俗情を捨てた交わり。世俗の人情を超えた交わり。「無情」は、感情を持たないもの。月と影を指す。「遊」は、交遊。交歓。
  • 結 … 結び続けようと思う。
相期邈雲漢
あいす はるかなる雲漢うんかん
  • 相期 … 再会を約束する。「相」は、動作に相手があることを示す。
  • 邈 … 遥かに遠い様子。
  • 雲漢 … 天の川。
  • 邈雲漢 … 『全唐詩』には「一作碧巖畔」とある。
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