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生年不満百(「古詩十九首」第十五首)

生年不滿百
生年(せいねん) 百(ひゃく)に満(み)たず
「古詩(こし)十九(じゅうきゅう)首(しゅ)」第(だい)十(じゅう)五(ご)首(しゅ)
  • ウィキソース「生年不滿百」参照。
  • この詩は、人生は短いのだから、大いに楽しんだほうがよいという思いを詠んだもの。
  • 古詩十九首 … 『文選』巻二十九、雑詩の中に作者不詳として収められている五言古詩十九首のこと。前漢から後漢にかけて作られた作品。ウィキペディア【古詩十九首】参照。
生年不滿百 常懷千歲憂
生年(せいねん) 百(ひゃく)に満(み)たず、常(つね)に千歳(せんざい)の憂(うれ)いを懐(いだ)く
  • 生年 … 生きている年数。寿命。
  • 不満百 … 百年に満たない。
  • 千歳憂 … 千年も先のことまで心配すること。
晝短苦夜長 何不秉燭遊
昼(ひる)は短(みじか)くして夜(よる)の長(なが)きに苦(くる)しむ、何(なん)ぞ燭(しょく)を秉(と)りて遊(あそ)ばざる
  • 昼短苦夜長 … 昼が短く、夜が長過ぎるといって苦しむこと。
  • 何不 … 「なんぞ~ざる」と読み、「どうして~しないのか」と訳す。反語を表す。盍に同じ。
  • 秉燭 … 灯火を手に持つ。灯火を灯(とも)して。
爲樂當及時 何能待來茲
楽(たの)しみを為(な)すは当(まさ)に時(とき)に及(およ)ぶべし、何(なん)ぞ能(よ)く来(らい)茲(じ)を待(ま)たん
  • 当 … 「まさに~べし」と読み、「当然~するべきだろう」と訳す。再読文字。
  • 及時 … 時期を逃さない。好機を逃さない。
  • 何能 … どうして~できるのか。
  • 来茲 … 来年。茲は、年。
愚者愛惜費 但爲後世嗤
愚(ぐ)者(しゃ)は費(つい)えを愛惜(あいせき)して、但(た)だ後世(こうせい)の嗤(わら)いと為(な)る
  • 愚者 … 愚か者。
  • 費 … (遊びの)費用。出費。
  • 愛惜 … 出し惜しむ。
  • 但 … 「ただ」と読み、「ただ~だけ」と訳す。限定の意を示す。
  • 後世 … 後の世の人々。
  • 嗤 … あざ笑うこと。物笑い。嘲笑。
仙人王子喬 難可與等期
仙人(せんにん) 王(おう)子(し)喬(きょう)は、与(とも)に期(き)を等(ひと)しくす可(べ)きこと難(かた)し
  • 王子喬 … 周代の仙人。霊王の太子。名は晋(しん)。嵩高山(すうこうざん)に入って仙人となり、白い鶴に乗り、笙(しょう)を吹いて雲中を飛んだという。王喬とも。ウィキペディア【王子喬】参照。
  • 与 … 王子喬と一緒に。王子喬と同じように。
  • 等期 … 寿命を同じくする。長生きする。期は、生きている期間。寿命。
  • 難可 … できないことだ。
詩型・韻字
  • 五言古詩。
  • 憂・遊(下平声尤韻)/時・茲・嗤・期(上平声支韻)、換韻。
テキスト
  • 『文選』巻二十九([梁]蕭統編/[唐]李善注、中国古典文学叢書、上海古籍出版社、1986年)
  • 『六臣註文選』巻二十九(『四部叢刊 初篇集部』所収、上海涵芬楼蔵宋刊本)
  • 『先秦漢魏晋南北朝詩』漢詩 巻十二 古詩(逯欽立輯校、中華書局、1983年)
  • 『古詩源』巻四 漢詩(中国古典文学基本叢書、中華書局、1963年)
  • 『古詩賞析』巻四 漢詩(『漢文大系 第十八巻』、冨山房、1914年)
  • 『玉台新詠箋注』巻一 枚乗雑詩九首([陳]徐陵編/[清]呉兆宜注・程琰刪補/穆克宏点校、中国古典文学基本叢書、中華書局、1985年)
  • 松浦友久編『続校注 唐詩解釈辞典〔付〕歴代詩』(大修館書店、2001年)
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