望廬山瀑布(李白)
望廬山瀑布
廬山の瀑布を望む
廬山の瀑布を望む
- 〔テキスト〕 『全唐詩』巻一百八十、『文苑英華』巻一百六十四、他
- 七言絶句。煙・川・天(平声先韻)。
- ウィキソース「望廬山瀑布水二首」参照。
- 詩題 … 『全唐詩』では「望廬山瀑布水二首 其二」に作る。『文苑英華』では「廬山瀑布」に作る。
- 廬山 … 山の名。江西省九江市の南方にある。白居易等が住んだ。ウィキペディア【廬山】参照。
- 瀑布 … (比較的大きな)滝。
- 李白 … 701~762。盛唐の詩人。字は太白。蜀の隆昌県青蓮郷(四川省江油市青蓮鎮)の人。青蓮居士と号した。科挙を受験せず、各地を遊歴。天宝元年(742)、玄宗に召されて翰林供奉(天子側近の文学侍従)となった。しかし、玄宗の側近で宦官の高力士らに憎まれて都を追われ、再び放浪の生活を送った。杜甫と並び称される大詩人で「詩仙」と仰がれた。『李太白集』がある。ウィキペディア【李白】参照。
日照香爐生紫煙
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
- 日 … 日光。太陽。
- 香炉 … 香炉峰。盧山の北峰。形が香炉に似ていることから名づけられた。
- 紫煙 … 紫色のもや。
- 生 … 立ちこめている。
- 『全唐詩』には「一作廬山上與星斗連、日照香爐生紫煙」とある。『文苑英華』では「廬山上與星斗連、日照香爐生紫烟」に作る。
遙看瀑布挂長川
遥かに看る 瀑布の長川を挂くるを
- 遥看 … 遥か遠くに見えるのは。「看」は、手をかざして見る。
- 瀑布 … (比較的大きな)滝。
- 長川 … 長い川。滝が山の頂から長い川を立て掛けたように流れ落ちている様子。「長」は『全唐詩』では「前」に作る。
- 挂 … 立て掛ける。引っ掛ける。
飛流直下三千尺
飛流直下 三千尺
- 飛流 … 滝の水が激しい勢いで流れ落ちること。
- 直下 … まっすぐに落ちること。
- 三千尺 … ここでは具体的な長さではなく、滝の長さを誇張した表現。
疑是銀河落九天
疑うらくは是れ 銀河の九天より落つるかと
- 疑 … 「うたがうらくは」と読み、「~と疑われるほどである」と訳す。
- 銀河 … 天の川。
- 九天 … 天の一番高い所。九重の天。
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