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哭晁卿衡(李白)

哭晁卿衡
ちょうけいこうこく
はく
  • 〔出典〕 『李太白文集』巻二十四(静嘉堂文庫蔵、略称:宋本、静嘉堂本)、しょういん補注『分類補注李太白詩』巻二十五(略称:蕭本)、『李翰林集』巻十九(略称:劉本、景宋咸淳本)、王琦編注『李太白全集』巻二十五(略称:王本)、『万首唐人絶句』巻十三(内閣文庫蔵)、『全唐詩』巻百八十四、他
  • 七言絶句。都・壺・梧(平声虞韻)。
  • ウィキソース「哭晁卿衡」参照。
  • 哭晁卿衡 …この詩は、天宝十二載(753)、阿倍仲麻呂が帰国しようとして乗った船が暴風に遭って難破し、亡くなったとの噂が伝わった時に作られたもの。実際は安南(ベトナム)に漂着し、翌々年、長安に戻っている。「哭」は、大声をあげて泣くこと。『蕭本』では「哭晁卿行」に作る。『万首唐人絶句』では「哭晁卿」に作る。
  • 晁卿衡 … 阿倍仲麻呂(698~770)のこと。中国名をちょうこう、またはちょうこうという。「晁」は「朝」の古字。入唐にっとう留学生として唐の玄宗に仕え、中国で死んだ。李白や王維などと交際があった。「卿」は、彼の当時の官職、えいけい(宮門の警備や兵隊を駐屯させることを掌る長官)の略称。また、友人に対する愛称・敬称とする説もある。ウィキペディア【阿倍仲麻呂】参照。
  • 李白 … 701~762。盛唐の詩人。あざなは太白。杜甫と並び称される大詩人で「詩仙」といわれている。ウィキペディア【李白】参照。
日本晁卿辭帝都
ほんちょうけい てい
  • 帝都 … 天子のいる都。唐の都長安を指す。
  • 辞 … 別れを告げる。
征帆一片繞蓬壺
征帆せいはん 一片いっぺん ほうめぐ
  • 征帆 … 去っていく船。旅行く船。
  • 一片 … ひとひらの(帆)。
  • 蓬壺 … 東方の海上にあって仙人が住むという島。蓬莱山の別名。
  • 繞 … 巡る。まわりを回る。『静嘉堂本』『景宋咸淳本』『王本』では「遶」に作る。同義。
明月不歸沈碧海
明月めいげつかえらず 碧海へきかいしず
  • 明月 … 晁衡(阿倍仲麻呂)に喩える。
  • 沈碧海 … 青々とした海に沈んでしまった。あおい大海原に沈んでしまった。
白雲愁色滿蒼梧
白雲はくうん 愁色しゅうしょく そう
  • 白雲 … 白い雲。
  • 愁色 … 悲しみの色を込めて。悲しみの色を帯びて。
  • 愁 … 『万首唐人絶句』では「秋」に作る。
  • 蒼梧 … 舜帝が巡幸中に崩じた地と伝えられる湖南省寧遠県にある山。蒼梧山。別名きゅうざん。ここでは、蒼梧山を含めた南方の地一帯を漠然と言ったもの。
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