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山中問答(李白)

山中問答
さんちゅう問答もんどう
はく
  • 〔テキスト〕 『全唐詩』巻一百七十八、他
  • 七言絶句。山・閑・間(平声刪韻)。
  • ウィキソース「山中問荅」参照。
  • 山中問答 … 山中での俗人との問答。
  • 李白 … 701~762。盛唐の詩人。あざなは太白。蜀の隆昌県青蓮郷(四川省江油市青蓮鎮)の人。青蓮居士と号した。科挙を受験せず、各地を遊歴。天宝元年(742)、玄宗に召されて翰林かんりん供奉ぐぶ(天子側近の文学侍従)となった。しかし、玄宗の側近で宦官の高力士らに憎まれて都を追われ、再び放浪の生活を送った。杜甫と並び称される大詩人で「詩仙」と仰がれた。『李太白集』がある。ウィキペディア【李白】参照。
問余何意棲碧山
う なんありてか碧山へきざんむと
  • 何意 … どんな考えで。どういうわけで。「何の意ぞ」「何の意か」とも訓読できる。
  • 意 … 『全唐詩』には「一作事」とある。
  • 碧山 … 青々とした奥深い山。緑の山。
笑而不答心自閑
わらってこたえず こころおのずからかんなり
  • 閑 … のどか。『全唐詩』では「閒」に作る。同義。
桃花流水窅然去
とうりゅうすい 窅然ようぜんとして
  • 桃花流水 …桃の花びらが水の上を流れていく。陶淵明「桃花源記」をふまえている。
  • 窅然 … はるか遠いさま。『唐詩品彙』では「杳然」に作る。
別有天地非人間
べつてん人間じんかんあらざる
  • 天地 … 世界。
  • 人間 … 「じんかん」と読む。俗世間。
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