>   漢詩   >   歴代詩選:盛唐   >   贈汪倫(李白)

贈汪倫(李白)

贈汪倫
汪倫おうりんおく
はく
  • 〔テキスト〕 『全唐詩』巻一百七十一、
  • 七言絶句。行・聲・情(平声庚韻)。
  • ウィキソース「贈汪倫」参照。
  • 汪倫 … 人名。『全唐詩』の題下に「白、涇県の桃花潭に遊び、村人汪倫、常に美酒をかもして以て白を待す」(白遊涇縣桃花潭、村人汪倫常醞美酒以待白)とあり、桃花潭の村人で、李白に酒を振る舞った人であるらしいが、詳しくは不明。
  • 贈 … 詩を直接手渡すこと。「寄」は、詩を人に託して送り届けること。
  • 李白 … 701~762。盛唐の詩人。あざなは太白。蜀の隆昌県青蓮郷(四川省江油市青蓮鎮)の人。青蓮居士と号した。科挙を受験せず、各地を遊歴。天宝元年(742)、玄宗に召されて翰林かんりん供奉ぐぶ(天子側近の文学侍従)となった。しかし、玄宗の側近で宦官の高力士らに憎まれて都を追われ、再び放浪の生活を送った。杜甫と並び称される大詩人で「詩仙」と仰がれた。『李太白集』がある。ウィキペディア【李白】参照。
李白乘舟將欲行
はく ふねって まさかんとほっ
  • 将 … 「まさに~せんとす」と読み、「いまにも~しそうである」と訳す。
忽聞岸上踏歌聲
たちまく 岸上がんじょう とうこえ
  • 忽 … ふと。突如。
  • 踏歌 … 足ぶみして調子をとって歌う歌。
桃花潭水深千尺
とう潭水たんすい ふか千尺せんじゃく
  • 桃花潭 … 安徽省涇県けいけんの川。
不及汪倫送我情
およばず 汪倫おうりん われおくるのじょう
  • 不及 … とても及ばない。
  • 送我情 … 私を送ってくれる心の深さ。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行