復愁(杜甫)
復愁
復た愁う
復た愁う
- 五言絶句。何・多(平声歌韻)。
- 『全唐詩』巻二百三十所収。
- 復愁 … ふたたび愁える。『全唐詩』等では「復愁十二首 其三」に作る。
- 杜甫 … 712~770。盛唐の詩人。襄陽(湖北省)の人。字は子美。祖父は初唐の詩人、杜審言。若い頃、科挙を受験したが及第できず、各地を放浪して李白らと親交を結んだ。安史の乱では賊軍に捕らえられたが、やがて脱出し、新帝粛宗のもとで左拾遺に任じられた。その翌年左遷されたため官を捨てた。四十八歳の時、成都(四川省成都市)の近くの浣花渓に草堂を建てて四年ほど過ごしたが、再び各地を転々とし一生を終えた。中国最高の詩人として「詩聖」と呼ばれ、李白とともに「李杜」と並称される。『杜工部集』がある。ウィキペディア【杜甫】参照。
萬國尚戎馬
万国 尚お戎馬
- 万国 … すべての国々で。天下いたるところ。
- 尚 … 今なお。
- 戎馬 … 戦乱。戦争。「戎」は武器、「戎馬」は軍馬の意から。『全唐詩』等では「防寇」に作る。
故園今若何
故園 今 若何
- 故園 … 故郷。洛陽の旧居を指す。
- 若何 … どうなっているだろうか。「如何」「云何」「何如」「何奈」「何若」等と同じ。
昔歸相識少
昔帰りしとき 相識少に
- 昔帰 … 乾元元年(758)の頃、作者は洛陽の旧居に帰ったことがある。
- 相識 … 顔見知りの人。
- 少 … ほとんどない。
早已戰場多
早く已に戦場多かりき
- 早已 … その時すでに。「蚤已」に作るテキストもある。
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