西山(常建)
西山
西山
西山
一身爲輕舟
一身 軽舟と為る
落日西山際
落日 西山の際
常隨去帆影
常に去帆の影に随い
遠接長天勢
遠く長天の勢に接す
- 長天 … 広い空。
物象歸餘清
物象 余清に帰し
- 物象 … 万物の姿。
- 余清 … すがすがしさの影響。
林巒分夕麗
林巒 夕麗を分つ
- 林巒 … 林や山の峰。
- 夕麗 … 夕焼けの美しさ。
亭亭碧流暗
亭亭として碧流暗く
- 亭亭 … はるかに遠いさま。
日入孤霞繼
日入りて孤霞継ぐ
- 孤霞 … ひとひらの夕焼け雲。
洲渚遠陰映
洲渚 遠く陰映し
- 洲渚 … 川の中洲やなぎさ。『全唐詩』では「渚日」に作る。
- 陰映 … かげったり光ったりすること。
湖雲尚明霽
湖雲 尚お明霽
- 明霽 … 明るくくっきり輝いている。
林昏楚色來
林昏くして楚色来り
- 楚色 … 楚の国の気配。
岸遠荊門閉
岸遠くして荊門閉ず
- 荊門 … 荊門山。湖北省宜都県の西北、揚子江の南岸にある。
至夜轉清迥
夜に至りて転た清迥
- 清迥 … 遠く澄みわたること。迥は遠と同じ。
蕭蕭北風厲
蕭蕭として北風厲し
- 蕭蕭 … 風がものさびしく吹くようす。
沙邊雁鷺泊
沙辺 雁鷺泊し
宿處蒹葭蔽
宿処 蒹葭蔽う
- 宿処 … 舟の停泊する場所。
- 蒹葭 … あしのまだ生長しきっていないもの。
圓月逗前浦
円月 前浦に逗まり
- 前浦 … 目の前の入り江。
孤琴又搖曳
孤琴 又た揺曳す
- 揺曳 … 尾を引くようにしてゆらゆらと揺れ動くこと。
冷然夜遂深
冷然として夜遂に深く
- 冷然 … ひんやり。『全唐詩』では「泠然」に作る。「泠然」だと「さわやかですがすがしい」との意になる。
白露沾人袂
白露 人の袂を沾す
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