>   論語   >   衛霊公第十五   >   6

衛霊公第十五 6 子曰直哉史魚章

385(15-06)
子曰、直哉史魚。邦有道如矢、邦無道如矢。君子哉蘧伯玉、邦有道則仕、邦無道則可卷而懷之。
いわく、ちょくなるかなぎょくにみちればのごとく、くにみちきものごとし。くんなるかなきょはくぎょくくにみちればすなわつかえ、くにみちければすなわきてこれふところにすべし。
現代語訳
  • 先生 ――「まっすぐだな、史魚は。平和な世には矢のようで、乱れた世にも矢のようだ。人物だな、蘧(キョ)伯玉は。平和な世には職につき、乱れた世にはクルリとひっこめる。」(魚返おがえり善雄『論語新訳』)
  • 先師がいわれた。――
    ぎょはなんという真っ直ぐな人だろう。国に道があっても矢のように真っ直ぐであり、国に道がなくても矢のように真っ直ぐだ」
    またいわれた。――
    きょはくぎょくはなんという見事な君子だろう。国に道があれば出て仕え、国に道がなければただちに才能を巻いて懐におさめる」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
  • 直 … まっすぐな性格。
  • 史魚 … 衛の大夫。名はしゅうあざなは子魚。史は官名。ウィキペディア【史魚 (衛)】参照。
  • 邦 … 国。
  • 如矢 … 矢のように。『詩経』小雅・大東の「其の直きこと矢のごとし」(其直如矢)に基づく。
  • 君子哉 … 君子だなあ。
  • 蘧伯玉 … 衛の大夫。姓はきょ。名はえん。伯玉はあざな。「五十にして四十九年の非を知る」は蘧伯玉の言葉として有名。ウィキペディア【蘧伯玉】参照。
  • 仕 … 出仕しゅっしする。仕官する。
  • 巻而懐之 … 才能を隠して世に出ない。
補説
  • 子曰 … 知不足齋叢書所収『義疏』では「子曰」に作るが、大正二年大阪懐徳堂の校定本では「民曰」に作る。誤植か?
  • 巻而懐之 … 『集注』に「巻は、収なり。懐は、蔵なり」(卷、收也。懷、藏也)とある。
学而第一 為政第二
八佾第三 里仁第四
公冶長第五 雍也第六
述而第七 泰伯第八
子罕第九 郷党第十
先進第十一 顔淵第十二
子路第十三 憲問第十四
衛霊公第十五 季氏第十六
陽貨第十七 微子第十八
子張第十九 堯曰第二十