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衛霊公第十五 5 子張問行章

384(15-05)
子張問行。子曰。言忠信。行篤敬。雖蠻貊之邦行矣。言不忠信。行不篤敬。雖州里。行乎哉。立則見其參於前也。在輿則見其倚於衡也。夫然後行。子張書諸紳。
ちょうおこなわれんことをう。わく、げんちゅうしんこう篤敬とくけいならば、蛮貊ばんぱくくにいえどおこなわれん。げんちゅうしんならず、こう篤敬とくけいならずんば、しゅういえどおこなわれんや。てばすなわまえまじわるをるなり。輿りてはすなわこうるをるなり。しかのちおこなわれん。ちょうこれしんしょす。
現代語訳
  • 子張が通用する道をきく。先生 ――「いうことがあてになり、することがまじめなら、野蛮未開の土地でも通用するね。いうことがあてにならず、することが不まじめなら、自分の郷里でも通用するものか。立っていればこの心がけが目のまえにちらつき、乗っていればこの心がけが手すりにまつわる、というようであってこそ通用する。」子張はこのことを帯のたれに書いた。(魚返おがえり善雄『論語新訳』)
  • 子張が、どうしたら自分の意志が社会に受けいれられ、実現されるか、ということについてたずねた。先師がこたえられた。――
    「言葉が忠信であり、行ないが篤敬であるならば、野蛮国においても思い通りのことが行なわれるであろうし、もしそうでなければ、自分の郷里においても何ひとつ行なわれるものではない。忠信篤敬の四字が、立っている時には眼のまえにちらつき、車に腰をおろしている時には、ながえの先の横木に、ぶらさがって見えるというぐらいに、片時もそれを忘れないようになって、はじめて自分の意志を社会に実現することができるのだ」
    子張はこの四字をしんに書きつけて守りとした。(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
  • 子張 … 孔子の弟子。姓は顓孫せんそん、名は師、あざなは子張。孔子より48歳年少。ウィキペディア【子張】参照。
  • 州里 … 自分の郷里。州は二千五百戸、里は二十五戸の村。
  • 紳 … 大帯。ここでは、大帯を結んだ端を前に垂らしている部分。
余説
  • 貊 … 『義疏』では「mojikyo_font_020385」に作る。
  • 立則見其參於前也 … 『義疏』では「立則見其參然於前也」に作る。
  • 夫然後行 … 『義疏』では「夫然後行也」に作る。
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衛霊公第十五 季氏第十六
陽貨第十七 微子第十八
子張第十九 堯曰第二十