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歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るるを知るなり

としさむくして、しかのちしょうはくしぼむにおくるるをるなり
  • 出典:『論語』子罕第九27(ウィキソース「論語/子罕第九」参照)
  • 解釈:冬の寒い季節になって、初めて松やこのがしわのような常緑樹は、他の植物が枯れしぼむ中、枯れずに緑の色を保っている。人も困難に遭遇して、初めてその人の真価が分かるということの喩え。「歳寒」は、寒い季節。困難に喩える。「松柏」は、立派な人物に喩える。「柏」は、このがしわ。常緑樹であるヒノキの一種。「彫」は、枯れしぼむ。「後」は、「のちに枯れる」の意ではなく、「枯れずに後まで残っている」の意。「歳寒の松柏」とも。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、歳寒、然後知松柏之後彫也
いわく、としさむくして、しかのちしょうはくしぼむにおくるるをるなり。
  • 歳寒 … 寒い季節になって。逆境や乱世に喩えている。
  • 然後 … 「しかるのち」と読み、「そうしたあとで」と訳す。
  • 松柏 … 松と、このがしわ。常緑樹。節操のある立派な人に喩える。ウィキペディア【コノテガシワ】参照。
  • 後彫 … 他の樹木は枯れしぼむのに、松柏だけは枯れずに、緑の葉を残している。「彫」は「しぼむ」と読む。「ちょう」の字に当てている。葉が枯れて散ること。「後」は「のちに枯れる」の意ではなく、「枯れずに後まで残っている」の意。君子が節操を守ることに喩える。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子罕第九27」参照。
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論語の名言名句