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先進第十一 16 季氏富於周公章

269(11-16)
季氏富於周公。而求也爲之聚斂而附益之。子曰、非吾徒也。小子鳴鼓而攻之可也。
季氏きししゅうこうよりもめり。しこうしてきゅうこれためしゅうれんしてこれえきす。いわく、あらざるなり。しょうらしてこれめてなり。
現代語訳
  • (家老の)季は殿さまより金持ちなのに、求(冉有)は税金を取ってやって、ますますふとらせている。先生 ――「もう同志じゃないんだ。きみたちはジャンジャンあいつをやっつけるがいいぞ。」(魚返おがえり善雄『論語新訳』)
  • 先師がいわれた。――
    「季氏は周公以上に富んでいる。しかるに、季氏の執事となったきゅうは、主人の意を迎え、租税を過酷に取り立てて、その富をふやしてやっている。彼はわれわれの仲間ではない。諸君は鼓を鳴らして彼を責めてもいいのだ」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
  • 季氏 … 魯の国の大夫、季孫氏。三桓の中で最も勢力があった。ウィキペディア【三桓氏】参照。
  • 周公 … ここは武王の弟の周公旦のことではなく、魯の国君を指す。
  • 求 … 冉有ぜんゆうのこと。求は名。あざなは子有。孔門十哲のひとり。「政事には冉有・季路」と評され、政治的才能があった。孔子より二十九歳年少。冉求、冉子とも。ウィキペディア【冉有】参照。
  • 聚斂 … 租税を厳しく取り立てる。
  • 附益 … 富を増やすこと。
  • 徒 … 門下の弟子。また「ともがら」とも読む。この場合は「仲間」「同志」の意となる。
  • 小子 … ここでは孔子が門人に呼びかける言葉。諸君。
  • 鳴鼓 … 罪を責めたてること。罪を言いふらすこと。実際に太鼓を叩くことではない。
  • 攻 … 責める。攻撃する。
補説
  • 而求也爲之聚斂而附益之 … 『義疏』では「而求爲之聚斂而附益也」に作る。
  • 鳴鼓 … 『集注』に「小子鼓を鳴らして之を攻むとは、門人をして其の罪を声して以て之を責めしむなり」(小子鳴鼓而攻之、使門人聲其罪以責之也)とある。
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公冶長第五 雍也第六
述而第七 泰伯第八
子罕第九 郷党第十
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子路第十三 憲問第十四
衛霊公第十五 季氏第十六
陽貨第十七 微子第十八
子張第十九 堯曰第二十