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論語 郷党第十 10

10-10 郷人飮酒。杖者出。斯出矣。郷人儺。朝服而立於阼階。
郷人きょうじん飲酒いんしゅには、杖者じょうしゃずれば、ここず。郷人きょうじんには、朝服ちょうふくしてかいつ。
  • 郷人 … 村人。「郷」は一万二千五百戸のこと。
  • 飲酒 … 酒宴。宴会。懇親会。
  • 杖者 … 杖をつく人。老人のこと。新注には「杖者は、老人なり。六十は郷に杖つく」(杖者、老人也。六十杖於郷)とある。『礼記』王制第五には「五十は家に杖つき、六十は郷に杖つき、七十は国に杖つき、八十はちょうに杖つく」(五十杖於家、六十杖於郷、七十杖於國、八十杖於朝)とある。
  • 斯出矣 … 老人が退席してから、退出された。「斯」は「則」と同じ。新注には「未だ出ざれば敢えて先んぜず、既に出れば敢えて後れず」(未出不敢先、既出不敢後)とある。
  • 儺 … 鬼やらい。つい。疫病の悪鬼を追い払う民間行事。我が国では節分の行事となった。新注には「儺は、疫を逐う所以なり」(儺、所以逐疫)とある。
  • 朝服 … 朝廷へ出仕するときの礼服を着ること。新注には「亦た必ず朝服して之に臨むとは、其の誠敬を用いざる所無ければなり」(亦必朝服而臨之者、無所不用其誠敬也)とある。「誠敬」は誠実で、慎み敬うこと。
  • 阼階 … 東側の階段。客を迎えるとき、主人がそこに立った。新注には「阼階は、東階なり」(阼階、東階也)とある。
  • 下村湖人(1884~1955)は「村人と酒宴をされる時でも、老人が退席してからでないと退席されない。村人が鬼やらいにくると、礼服をつけ、玄関に立ってそれをむかえられる」と訳している(現代訳論語)。
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陽貨第十七 微子第十八
子張第十九 堯曰第二十