曲肱の楽しみ
曲肱の楽しみ
- 出典:『論語』述而第七15(ウィキソース「論語/述而第七」参照)
- 解釈:貧しい境遇の中にあっても、その中に本当の楽しみを見い出せるということ。「曲肱」は、肱を曲げてそれを枕として寝ること。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、飯疏食飮水、曲肱而枕之。樂亦在其中矣。不義而富且貴、於我如浮雲。
子曰く、疏食を飯い水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦た其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは、我に於いて浮雲の如し。
- 飯 … 動詞。食べる。
- 疏食 … 粗末な飯。「菜食」という説と「精白していない米」との説がある。
- 飲水 … おいしい汁物がないことを表す。
- 肱 … ひじ。「肘」「臂」とも書く。
- 亦 … 「(も)また~」と読み、「~もまた」「~も同様に」と訳す。
- 矣 … 訓読しない。強い断定を示す。
- 不義 … 正しい道からはずれること。
- 富且貴 … 金持ちになり、高い地位を得ること。
- 如浮雲 … 「浮き雲のように、はかないもの」とする説と、「雲は空に浮かんでいるだけで、自分とは無関係、無縁だ」とする説がある。
- 詳しい注釈と現代語訳については「述而第七15」参照。
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