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之を沽らんかな、之を沽らんかな。我は賈を待つ者なり

これらんかな、これらんかな。われものなり
  • 出典:『論語』子罕第九12(ウィキソース「論語/子罕第九」参照)
  • 解釈:売ろうとも、売ろうとも。私は買い手を待っているのだ。子貢が「ここに美しい宝石があるとします。箱に入れてしまっておきますか、買い手を見つけて売りますか」と質問したときの、孔子の答え。「沽」は、売る。「賈」は、買い手。宝石を孔子に、買い手を君主に喩える。自分を採用してくれる明君が現れれば、いつでも出仕したいという、孔子の積極的な意思を表明したもの。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子貢曰、有美玉於斯。韞匵而藏諸。求善賈而沽諸。子曰、沽之哉、沽之哉。我待賈者也
こういわく、ここぎょくり。とくおさめてこれぞうせんか。ぜんもとめてこれらんか。いわく、これらんかな、これらんかな。われものなり。
  • 子貢 … 前520~前446。姓は端木たんぼく、名は。子貢はあざな。衛の人。孔子より三十一歳年少の門人。孔門十哲のひとり。弁舌・外交に優れていた。また、商才もあり、莫大な財産を残した。ウィキペディア【子貢】参照。
  • 美玉 … 美しい宝石。孔子を美玉で喩えている。
  • 匵 … 箱。
  • 韞 … おさめる。しまっておく。
  • 蔵諸 … 「蔵之乎」に同じ。しまっておきましょうか。
  • 善賈 … よい商人。ここでは、よい君主に喩える。
  • 沽 … 「沽」には「売る」「買う」の両方の意味があるが、ここでは「売る」の意。
  • 沽之哉、沽之哉 … 売ろうとも、売ろうとも。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子罕第九12」参照。
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た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句