夫の人言わず、言えば必ず中る有り
夫の人言わず、言えば必ず中る有り
- 出典:『論語』先進第十一13(ウィキソース「論語/先進第十一」参照)
- 解釈:あの人は寡黙でめったに物を言わないが、言えば必ず的確なことを言う。孔子が門人の閔子騫を評した言葉。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
魯人爲長府。閔子騫曰、仍舊貫、如之何。何必改作。子曰、夫人不言、言必有中。
魯人長府を為る。閔子騫曰く、旧貫に仍らば、之を如何。何ぞ必ずしも改め作らん。子曰く、夫の人言わず、言えば必ず中る有り。
- 魯人 … 魯国の政府当局者。
- 長府 … 長府という名の、国の財貨などを収納する倉庫。
- 為 … 改築する。
- 閔子騫 … 前536~前487。姓は閔。名は損。字は子騫。孔門十哲のひとり。孔子より十五歳年少。魯の人。徳行にすぐれ、また孝行者でもあった。ウィキペディア【閔子騫】参照。
- 旧貫 … 昔からのしきたり。慣例。
- 仍 … 「因」に同じ。そのまま。元のまま。現状を維持踏襲すること。
- 如之何 … そうしたならば、どうだろう。
- 何必改作 … 何もわざわざ改築する必要はあるまいに。
- 夫人 … あの人。あの男。閔子騫を指す。
- 中 … 的中する。理に当たる。道理にかなう。
- 詳しい注釈と現代語訳については「先進第十一13」参照。
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