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鳳や鳳や、何ぞ徳の衰えたる

ほうほうや、なんとくおとろえたる
  • 出典:『論語』微子第十八5(ウィキソース「論語/微子第十八」参照)
  • 解釈:鳳凰よ、鳳凰よ、なんとまあ徳の衰えたことか。聖天子が世に出たとき、めでたいしるしとしてお前が現れると聞いていたのに、こんな乱世に現れるとは、なんと徳の衰えたことよ。「鳳」は、鳳凰。の国で狂人といわれたせつ輿という者が、孔子の旅舎の門前を通り過ぎたとき、歌った歌の一節。孔子を鳳凰に喩え、からかったもの。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
鳳兮鳳兮、何德之衰。往者不可諫、來者猶可追。已而、已而。今之從政者殆而。
ほうほうや、なんとくおとろえたる。ものいさからず、たるものし。みなん、みなん。いままつりごとしたがものあやうし。
  • 鳳 … 鳳凰。聖天子が世の中に現れるときの瑞兆といわれた。おすは鳳で、めすは凰という。舜の時には鳳凰が舞い、文王の時には岐山で鳴いたという。ここでは、鳳を孔子になぞらえている。
  • 往者 … 過ぎ去ったこと。過去。
  • 不可諫 … 諫めることができない。諫めても仕方がない。
  • 来者 … 将来のこと。未来。
  • 可追 … 追いかけていくことができる。まだ間に合う。
  • 已而 … 「やみなん」と読み、「もうやめよ」「やめなさい」と訳す。
  • 殆而 … 危うい。危険である。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「微子第十八5」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句