敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり
敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり
- 出典:『論語』雍也第六13(ウィキソース「論語/雍也第六」参照)
- 解釈:すすんで殿(最後尾)を務めたわけではない。馬がどうしても進まなかったのだ。自分の手柄を誇らず、謙遜することの喩え。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、孟之反不伐。奔而殿。將入門、策其馬曰、非敢後也、馬不進也。
子曰く、孟之反は伐らず。奔りて殿たり。将に門に入らんとするや、其の馬に策うちて曰く、敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり、と。
- 孟之反 … 生没年不詳。魯の国の大夫。姓は孟、名は子側、之反は字。ウィキペディア【孟之側】(中文)参照。
- 不伐 … 自分の功績を誇らない。
- 奔 … 走って逃げる。退却する。敗走する。
- 殿 … 「でんたり」または「でんす」と読む。しんがり。軍隊が退却するとき、その最後尾にあって追ってくる敵を防ぐこと。
- 将 … 再読文字。「まさに~せんとす」と読む。「いまにも~しそうである」と訳す。
- 策 … 「むちうつ」と読む。むちをあてる。
- 非敢後也 … わざわざ後れてしんがりをつとめたわけではない。「敢」は「わざわざ」「すすんで」などの意。「後」は「おくるる」と読んでもよい。
- 詳しい注釈と現代語訳については「雍也第六13」参照。
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