送韋評事(王維)
送韋評事
韋評事を送る
韋評事を送る
- 七言絶句。賢・延・邊(平声先韻)。
- 韋評事 … 評事は官名。刑罰を判決する大理事の属官。韋評事という人物については不明。
- 王維 … 699?~761。盛唐の詩人、画家。太原(山西省)の人。字は摩詰。開元七年(719)、進士に及第。安禄山の乱で捕らえられたが事なきを得、乱後は粛宗に用いられて尚書右丞(書記官長)まで進んだので、王右丞とも呼ばれる。また、仏教に帰依したため、詩仏と称される。『王右丞集』十巻(または六巻)がある。ウィキペディア【王維】参照。
欲逐將軍取右賢
将軍を逐うて右賢を取らんと欲し
- 右賢 … 右賢王。匈奴の貴族の称号。単于となる資格を持っていた。
沙場走馬向居延
沙場 馬を走らせて居延に向う
- 沙場 … (戦場としての)砂漠。後漢の蔡琰の「胡笳十八拍」(『楽府詩集』巻五十九、『楚辞後語』巻三)の第十七拍に「塞上の黄蒿は枝枯れ葉乾きたり、沙場の白骨に刀痕箭瘢あり」(塞上黃蒿兮枝枯葉乾、沙場白骨兮刀痕箭瘢)とある。箭瘢は、矢きずのあと。ウィキソース「胡笳十八拍」「樂府詩集/059卷」「楚辭集注 (四庫全書本)/後語卷3」参照。
- 居延 … 今の内蒙古自治区の北西部。
遙知漢使蕭關外
遥かに知る 漢使 蕭関の外
- 漢使 … 漢から派遣された官吏。韋評事を指す。
- 蕭関 … 今の甘粛省固原の近くにあった関所。
愁見孤城落日邊
愁えて見ん 孤城 落日の辺
- 孤城 … 一つだけ他から孤立している城。
歴代詩選 | |
古代 | 前漢 |
後漢 | 魏 |
晋 | 南北朝 |
初唐 | 盛唐 |
中唐 | 晩唐 |
北宋 | 南宋 |
金 | 元 |
明 | 清 |
唐詩選 | |
巻一 五言古詩 | 巻二 七言古詩 |
巻三 五言律詩 | 巻四 五言排律 |
巻五 七言律詩 | 巻六 五言絶句 |
巻七 七言絶句 |
詩人別 | ||
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | は行 | ま行 |
や行 | ら行 |