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杜少府之任蜀州(王勃)

杜少府之任蜀州
しょうにん蜀州しょくしゅうく)
王勃おうぼつ     
  • 五言律詩。秦・津・人・鄰・巾(平声真韻)。
  • 『全唐詩』巻56所収。『唐詩三百首』五言律詩所収。ウィキソース「杜少府之任蜀州」参照。
  • 杜 … 姓。
  • 少府 … 官名。県尉(県の検察や警察を指揮する職)の敬称。
  • 蜀州 … 今の四川省。
  • 之任 … 赴任する。
  • 杜少府之任蜀州 … 『全唐詩』には題下に「一作川」との注がある。
  • 王勃 … 649~676。初唐の詩人。こうしゅう竜門(山西省しん県)の人。あざなは子安。王績の兄である王通(おうとう・おうつう、文中子)の孫。初唐四傑(王勃・楊炯・盧照鄰・駱賓王)の一人に数えられる。ウィキペディア【王勃】参照。
城闕輔三秦
じょうけつ 三秦さんしんとし
  • 城闕 … ここでは、長安城。長安の宮殿。「城闕」の本来の意味は、物見台のある城門のこと。
  • 輔 … 助けられている。守られている。
  • 輔三 … 『全唐詩』には「一作俯西」との注がある。
  • 三秦 … 秦王朝滅亡後、かつての秦国を三つに分割して治めさせたところから出た言葉。秦の地方のこと。ここでは、都をとりまく畿内の地。
風烟望五津
風烟ふうえん しんのぞ
  • 風烟 … 風に流れているかすみ。
  • 五津 … 四川省にある大江(揚子江の支流)の五つの渡し場。「津」は渡し場。
  • 望 … 遠望する。
與君離別意
きみべつ
  • 君 … 杜少府を指す。
  • 與(与) … 「と」と読み、「~と」と訳す。
  • 意 … 気持ち。
同是宦遊人
おなじくれ 宦遊かんゆうひと
  • 同 … 「ともに」と読んでもよい。『全唐詩』には「一作倶」との注がある。
  • 宦遊人 … 故郷を離れて、任地を転々とする役人暮らしの人。
海内存知己
海内かいだい 知己ちきそんせば
  • 海内 … 四海の内。天下。広い世界。
  • 知己 … 自分を真に理解してくれる人。親友。
  • 存 … いる。存在する。
天涯若比鄰
天涯てんがいりんごと
  • 天涯 … 空の果て。
  • 比鄰 … となり近所。
無爲在岐路
かれ 岐路きろりて
  • 無為 … 「けん」とも読む。やめようではないか。よそうじゃないか。
  • 岐路 … 分かれ道。ここでは別れ道。
兒女共沾巾
じょともきんうるおすを
  • 児女 … 女子供。
  • 児女共 … 従来は「児女とともに」と訓読し、「女子供のように」と訳してきた。松浦友久は、「共」を「~と同じように」と訳すのは困難であるといい、また「児女」は「如・若・像」の類を省いたまま副詞として使われていると指摘している。そして「児女共」は「児女のごとく共に」と訓読し、「児女のように(君と私とが)共に」と訳すのが妥当であると言っている。松浦友久編『校注 唐詩解釈辞典』(大修館書店)115頁参照。
  • 巾 … ハンカチ。
  • 沾 … ぬらす。『全唐詩』等では「霑」に作る。同義。
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