登鸛鵲楼(王之渙)
登鸛鵲樓
鸛鵲楼に登る
鸛鵲楼に登る
- 五言絶句。流・樓(平声尤韻)。
- 『全唐詩』巻253所収。ウィキソース「登鸛雀樓 (王之渙)」参照。
- 鸛鵲楼 … 山西省永済県の西南にあった三層の角楼。「鸛雀楼」とも書く。「鸛雀(鵲)」は、コウノトリ。「楼」は、楼台。楼閣。
- 登鸛鵲樓 … 『全唐詩』巻253には、題下に「一作朱斌詩」とある。『全唐詩』巻203の朱斌の詩での題は「登樓」に作る。その題下には「一作王之渙詩」とある。
- 王之渙 … 688~742。盛唐の詩人。并州(山西省太原)の人。字は季陵。科挙に及第せず、在野の詩人として生涯を終えた。辺境の風物を詠じた辺塞詩人として有名。ウィキペディア【王之渙】参照。
白日依山盡
白日 山に依りて尽き
- 白日 … 「輝く真昼の太陽」と「輝く太陽(夕日)」との二説がある。高校教科書では後者を採っている。
- 依山尽 … 「(輝く真昼の太陽の光が)山なみにもたれるように尽ききわまっている」と「(輝く夕日が)山に寄り添うように沈んでゆく」との二説がある。高校教科書では後者を採っている。
- この句は、次の句と対句(白と黄、山と海)になっている。
黄河入海流
黄河 海に入りて流る
- 入海流 … はるかな海に流れ注いでゆく。「流れ海に入る」と読み替えたほうが理解しやすい。実際には、鸛鵲楼から黄河の流れが海に注ぎ込むところは見えない。ここでは黄河の流れの力強さを誇張したものであろう。
- 入 … 『文苑英華』には「一作徹」とある。
欲窮千里目
千里の目を窮めんと欲し
- 千里 … ここでは遥か彼方。実際の距離ではない。
- 目 … 眺め。眺望。
- 窮 … 見きわめる。眺め尽くす。
- 欲 … 望む。願う。
- この句は、次の句と対句(千と一)になっている。
更上一層樓
更に上る 一層の楼
- 更上 … さらに上にのぼる。
- 一層 … 一階。鸛鵲楼は三層楼であったので、二階から最上階の三階へとのぼること。
- 層 …『全唐詩』卷二百三の朱斌「登樓」では「重」に作る。
- 更上一層楼 … もう一階上の楼にのぼる。
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