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宿温城望軍営(駱賓王)

宿溫城望軍營
おんじょう宿しゅくして軍営ぐんえいのぞむ)
らく賓王ひんのう     
  • 五言排律。聞・軍・分・文・雲・氛・勳・君(平声文韻)。
  • 『全唐詩』巻79所収。ウィキソース「宿溫城望軍營」参照。
  • 温城 … 今の河南省温県付近とするもの、あるいは寧夏省霊武付近の温池県だとするものなど、諸説ある。
  • 宿 … 宿泊する。
  • 軍営 … 軍隊が陣をしいている所。
  • 駱賓王 … 640?~684?。初唐の詩人。しゅう義烏ぎう(浙江省義烏県)の人。王勃・楊炯・盧照鄰とともに「初唐の四傑」といわれている。ウィキペディア【駱賓王】参照。
虜地寒膠折
りょ 寒膠かんこう
  • 虜地 … えびすの住む地域。
  • 寒膠折 … 凍ったにかわが折れる。厳しい寒気をいう。
邊城夜柝聞
へんじょう たくこゆ
  • 辺城 … 辺境の城市。
  • 夜柝 … 夜警の兵士が打つ拍子木。
兵符關帝闕
へい 帝闕ていけつかん
  • 兵符 … 軍隊を出動させるときに朝廷から授かるわり
  • 関帝闕 … わりの半分を朝廷に留め置くこと。「帝闕」は宮城の門。転じて、朝廷。「関」は鍵をかけて大切にしまっておくこと。
天策動將軍
天策てんさく しょうぐんうごかす
  • 天策 … 天子のめぐらした策略。朝廷で決定された戦略。
塞靜胡笳徹
とりでしずかにして胡笳こかとお
  • 塞 … 『全唐詩』には「一作戍」との注がある。
  • 胡笳 … 北方民族の胡人が吹いたあしの葉の笛。
  • 徹 … (胡笳の音が)響きわたる。
沙明楚練分
すなあきらかにしてれんかる
  • 沙明 … 砂漠の砂が月の光に照らされ、白く輝いている様子。
  • 楚練 … 練絹ねりぎぬの軍服。「練」は練絹ねりぎぬ
  • 分 … はっきり見分けられる。
風旗翻翼影
ふう 翼影よくえいひるがえ
  • 風旗 … 風にひるがえる旗。
  • 翼影 … 旗の上につけた鳥の羽飾りの影。
霜劍轉龍文
霜剣そうけん りょうもんてん
  • 霜剣 … 霜のように冷たく光る名剣。
  • 竜文 … 剣身に彫刻してある竜の模様。
  • 転 … きらめかす。
白羽搖如月
はく ゆらいでつきごと
  • 白羽 … 白羽扇。白い羽毛で作った軍配のうちわ。
青山斷若雲
青山せいざん ってくもごと
  • 青山 … 青い山なみ。
  • 断 … 中断する。断続する。
煙疎疑卷幔
けむりにしてまんくかとうたが
  • 煙 … 煙霧。
  • 疎 … まばら。薄く切れ切れに流れるさま。
  • 幔 … 幔幕。
塵滅似銷氛
ちりめっしてふんすにたり
  • 塵滅 … 砂ぼこりがおさまる。
  • 氛 … 戦乱の気。
  • 銷 … 消滅する。
投筆懷班業
ふでとうじてはんぎょうおも
  • 投筆 … 学問や文章の仕事を捨て、戦争に出ること。後漢の名将はんちょう(32~102)は、若いとき小役人をしていたが、ある日、男子たるものは異郷に赴いて大功を立て、諸侯の位を獲得すべきであり、こんなことはしていられないと言って筆を投げ捨てたという故事に基づく。ウィキペディア【班超】参照。
  • 班業 … はんちょうの成し遂げた功業。
臨戎想顧勳
いくさのぞんでくんおも
  • 臨戎 … 戦陣にのぞむ。
  • 顧勲 … 晋のえいの勲功。陳敏ちんびんが反乱を起こして揚子江を渡ろうとしたとき、巧妙な戦略でこれを潰散させた。ウィキペディア【顧栄】参照。
還應雪漢恥
まさかんはじすす
  • 漢恥 … 漢の七年(紀元前200年)、白登山で高祖が匈奴に七日間包囲されて敗れた。その後、匈奴に貢ぎ物を献上して屈辱的な和睦を結んだ。これを漢の恥といった。ただし、ここでは「我が国の恥」の意。ウィキペディア【白登山の戦い】参照。
  • 雪 … 恥をそそぐこと。
持此報明君
これして明君めいくんほうずべし
  • 此 … えびすを討ち破って我が国の恥をそそぐという功績。
  • 明君 … 賢明な君主。りっぱな君主。我が君主を褒め称える言い方。
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
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