憲問第十四 26 蘧伯玉使人於孔子章
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蘧伯玉使人於孔子。孔子與之坐而問焉。曰。夫子何爲。對曰。夫子欲寡其過而未能也。使者出。子曰。使乎使乎。
蘧伯玉使人於孔子。孔子與之坐而問焉。曰。夫子何爲。對曰。夫子欲寡其過而未能也。使者出。子曰。使乎使乎。
蘧伯玉人を孔子に使わす。孔子之に坐を与えて問う。曰く、夫子は何をか為す。対えて曰く、夫子は其の過ちを寡くせんと欲するも、未だ能わざるなり。使者出ず。子曰く、使いなるかな、使いなるかな。
現代語訳
- 蘧(キョ)伯玉が、使いを孔先生によこした。孔先生はかれを席につかせてたずねる。――「ご主人はどうしておられます…。」返事 ――「主人は落ちどのないようにと、心がけてはおりますが…。」使いの人がさがったあと、先生 ――「いい使いだ、いい使いだ。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 蘧伯玉が先師に使者をやった。先師は使者を座につかせてたずねられた。――
「ご主人はこのごろどんなことをしておすごしでございますか」
使者がこたえた。――
「主人はなんとかして過ちを少なくしたいと苦心していますが、なかなかそうはまいらないようでございます」
使者が帰ったあとで、先師がいわれた。――
「見事な使者だ、見事な使者だ」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
- 蘧伯玉 … 衛の大夫。姓は蘧。名は瑗。伯玉は字。「五十にして四十九年の非を知る」は蘧伯玉の言葉として有名。ウィキペディア【蘧伯玉】参照。
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