憲問第十四 27 子曰不在其位章
359(14-27)
子曰、不在其位、不謀其政。
子曰、不在其位、不謀其政。
子曰く、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。
現代語訳
- 先生 ――「本職でないのに、口だしはしない。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 孔子様がおっしゃるよう、「各人その分を守るべきで、その地位にいない者がその仕事に口出しせぬがよい。」(穂積重遠『新訳論語』、「泰伯第八14」からの引用)
- 先師がいわれた。――
「その地位にいなくて、みだりにその職務のことに口出しすべきではない」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
- 「泰伯第八14」に重出。
- 其位 … その地位。
- 其政 … その政務。その職務。
- 謀 … 意見を述べる。口出しをする。
補説
- 『注疏』では次章と合わせて一つの章とし、「此の章は人の僭濫して官を侵すを戒しむなり」(此章戒人之僭濫侵官也)とある。僭濫は、身分を乱すこと。『論語注疏』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 『集解』には、この章の注なし。『論語集解』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 不在其位、不謀其政 … 『義疏』では次章と合わせて一つの章とし、「人各〻己の職を専らにせよと誡むるなり。濫りに他人の政を謀図するを得ざるなり」(誡人各專己職。不得濫謀圖他人之政也)とある。『論語義疏』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。また『注疏』に「言うこころは若し己れ此の位に在らずんば、則ち此の位の政事を謀議するを得ざるなり」(言若己不在此位、則不得謀議此位之政事也)とある。また『集注』に「重ねて出づ」(重出)とある。『論語集注』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 伊藤仁斎『論語古義』に「重ねて出づ」(重出)とある。『論語古義』(国立国会図書館デジタルコレクション)参照。
- 荻生徂徠『論語徴』には、この章の注なし。
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