曲突徙薪
曲突徙薪
- 〔出典〕 『十八史略』西漢
- 〔解釈〕 災いを未然に防ぐこと。旅人がある家の主人に、まっすぐな煙突を曲がったものにし、側にある薪を移すようにと忠告したが応じず、その家は火事になってしまったという故事から。徙はうつす。
霍氏謀反、伏誅。夷其族。告者皆封列侯。初霍氏奢縱。茂陵徐福上疏言、宣以時抑制、無使至亡。書三上。不聽。
霍氏謀反し、誅に伏す。其の族を夷ぐ。告ぐる者皆列侯に封ぜられる。初め霍氏奢縦なり。茂陵の徐福、上疏して言う、宣しく時を以て抑制し、亡に至らしむること無かるべし、と。書三たび上る。聴かず。
至是、人爲徐生上書曰、客有過主人。見其竈直突、傍有積薪、謂主人、更爲曲突、速徙其薪。主人不應。俄失火。郷里共救之、幸而得息。
是に至りて、人、徐生の為に上書して曰く、客に主人を過るもの有り。其の竈の直突にして、傍らに積薪有るを見て、主人に謂う、更めて曲突を為り、速やかに其の薪を徙せ、と。主人応ぜず。俄かに火を失す。郷里共に之を救い、幸いにして息むを得たり。
殺牛置酒、謝其郷人。人謂主人曰、郷使聽客之言、不費牛酒、終無火患。今、論功而賞、曲突徙薪無恩澤、焦頭爛額爲上客邪。上乃賜福帛以爲郎。
牛を殺し酒を置いて、其の郷人に謝す。人、主人に謂いて曰く、郷に客の言を聴かしめば、牛酒を費やさず、終に火患無からん。今、功を論じて賞するに、曲突薪を徙せというものに恩沢無く、頭を焦がし額を爛らすものを上客と為すか、と。上、乃ち福に帛を賜い、以て郎と為す。