別盧秦卿(司空曙)
別盧秦卿
盧秦卿に別る
盧秦卿に別る
- 五言絶句。中・風(平声東韻)。
- 別盧秦卿 … 『全唐詩』(巻292、司空曙)では「留盧秦卿」に作り、「一作別」との注、および題下に「一作郎士元詩」とある。『全唐詩』(巻248、郎士元)に重出し、題下に「一作司空曙詩」とある。ウィキソース「留盧秦卿」参照。
- 盧秦卿 … 作者の友人ではあるが、人物については不明。
- 司空曙 … 740~790?。中唐の詩人・政治家。姓は司空(二字姓)、字は文明。広平(河北省広平県)の人。進士に及第したらしいが、それが何年のことかは不明。剣南節度使韋皋に招かれてその幕僚となり、最後は虞部郎中に至った。盧綸、銭起、耿湋、韓翃らと共に大暦十才子の一人。『司空文明詩集』三巻がある。ウィキペディア【司空曙】参照。
知有前期在
前期の在ること有るを知れども
- 前期 … 将来の再会の時期。
- 知有 … わかってはいるけれども。
難分此夜中
分れ難し 此の夜の中
- 難分 … 別れづらい。『全唐詩』(卷292、司空曙)には「一作歡如」とある。『全唐詩』(卷248、郎士元)では「歡如」に作り、「一作難分」とある。
無將故人酒
故人の酒を将って
- 故人 … 旧友。司空曙自身を指す。
- 将 … 「~をもって」と読み、「~によって」と訳す。
不及石尤風
石尤の風に及ばずとすること無かれ
- 石尤風 … むかい風。石氏の娘が尤郎という男の妻となった。尤郎が行商に出かけて帰らず、妻は思いつめて病気となり、臨終に際して「自分が死んだら大風となって世間の夫たちが遠くへ行くのをやめさせよう」と言ったという。以来、逆風にあうと、石尤風と呼ぶようになった。
- 石尤 … 『全唐詩』(卷292、司空曙)には「一作古淳」とある。『全唐詩』(卷248、郎士元)では「古淳」に作り、「一作石尤」とある。
- 不及 … (むかい風にも)及ばない。
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