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春寒(厲鶚)

春寒
春(しゅん)寒(かん)
厲(れい)鶚(がく)
  • 〔テキスト〕 『樊榭山房集』巻三(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
  • 七言絶句。紅・風・中(上平声東韻)。
  • 雍正元年(1723)の作。
  • 春寒 … 春さきに残る寒さ。余寒。
  • 厲鶚 … 1692~1752。清代中期の詩人。浙江省銭塘の人。字(あざな)は太鴻(たいこう)。号は樊榭(はんしゃ)。康熙五十九年(1720)、挙人に及第。乾隆元年(1736)、博学鴻詞科の試験に落第。官職を諦め、各地の富豪で蔵書家の屋敷に寄寓しながら文学の研究を続けた。著に『絶妙好詞箋』七巻(査為仁との共著)、『宋詩紀事』百巻、『樊榭山房集』三十七巻などがある。ウィキペディア【レイ鶚】参照。
漫脫春衣浣酒紅
漫(そぞ)ろに春(しゅん)衣(い)を脱(ぬ)いで 酒紅(しゅこう)を浣(あら)う
  • 漫 … 何となく。これといった理由もなく。無意識に。
  • 春衣 … 春着。
  • 酒紅 … 酒のシミで赤くなった痕。
  • 浣 … 洗う。
江南三月最多風
江南(こうなん) 三月(さんがつ) 最(もっと)も風(かぜ)多(おお)し
  • 江南 … 長江中流・下流の南岸地域。今の江蘇省南部・浙江省西北部・安(あん)徽(き)省南部・江西省南部などを指す。臧勵龢等編『中國古今地名大辭典』(商務印書館、1931年)に「長江以南の総称なり。今は江蘇・安徽・江西の三省を通称して江南と為す」(長江以南之總稱。今通稱江蘇安徽江西三省爲江南)とある。
  • 最多風 … 最も風のよく吹く季節である。
梨花雪後酴醿雪
梨花(りか)の雪(せつ)後(ご)に 酴醿(とび)の雪(ゆき)
  • 梨花 … 梨(なし)の花。
  • 雪後 … 雪のように咲いた梨(なし)の白い花が散った後。
  • 酴醿 … バラ科の落葉小低木。頭(と)巾(きん)薔薇(いばら)。初夏に黄白色の花をつける。ぼたんいばら。
  • 酴醿雪 … 頭(と)巾(きん)薔薇(いばら)の花が雪のように咲く。
人在重簾淺夢中
人(ひと)は重(ちょう)簾(れん) 浅(せん)夢(む)の中(うち)に在(あ)り
  • 人 … 私は。ここでは作者を指す。
  • 重簾 … 二重のすだれ(の奥で)。
  • 浅夢 … 浅い夢。うとうとしながら見る夢。とりとめのない夢。
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