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京師得家書(袁凱)

京師得家書
けいにてしょたり
えんがい
  • 〔テキスト〕 『茗齋集明詩』(『四部叢刊 續編集部』所収)、他
  • 五言絶句。行・郷(平声陽韻)。
  • 京師 … みやこ。首都。この時の首都は南京。
  • 家書 … 家族からの手紙。おそらく妻からの手紙。
  • 袁凱 … 生没年不詳。元末から明初の政治家、詩人。松江県華亭(以前は江蘇省、現在は国の直轄市である上海市)の人。あざなは景文、号は海叟かいそう。洪武三年(1370)、監察御史に任ぜられたが、後に太祖(朱元璋・洪武帝)に憎まれたことを知り、精神病と偽って辞職し帰郷した。「白燕はくえん詩」を作って有名になったので、袁白燕とも呼ばれた。『海叟集』四巻がある。ウィキペディア(中文)【袁凱】参照。
江水三千里
江水こうすい さんぜん
  • 江水 … 長江の流れ。
  • 三千里 … 都の南京から作者の故郷、松江県華亭までの距離。ただし、「白髪三千丈」などと同様、距離の遠さを誇張した表現。
家書十五行
しょ じゅうぎょう
  • 家書十五行 … 妻からの手紙はわずか十五行しかない。
行行無別語
行行ぎょうぎょう べつ
  • 行行 … (十五行の)どの行にも。毎行。
  • 別語 … ほかの言葉。
只道早歸郷
う はやきょうかえれと
  • 只 … ただ~だけだ。
  • 道 … 言う。俗語。
  • 郷 … 郷里。
  • 帰 … 『茗齋集明詩』(『四部叢刊 續編集部』所収)等では「還」に作る。
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