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竹枝詞十二首其十二(袁宏道)

竹枝詞十二首其十二
竹(ちく)枝(し)詞(し)十(じゅう)二(に)首(しゅ) 其(そ)の十(じゅう)二(に)
袁(えん)宏道(こうどう)
  • 〔テキスト〕 『(梨雲館類定)袁中郎全集』巻九(『和刻本漢詩集成19 補篇第三輯』所収)、他
  • 七言絶句。然・川・銭(下平声先韻)。
  • 竹枝詞 … 元は四川の巴峡あたりの民謡。唐代になって白居易や劉禹錫が新しい民謡調の作品を作り始めたことから、後に地方色豊かな情歌風の七言絶句をこう呼ぶ。
  • 万暦二十四年(1596)三月、乾清(けんせい)宮(きゅう)・坤寧(こんねい)宮(きゅう)の両宮が焼失。翌年六月、皇(こう)極(きょく)殿(でん)・中(ちゅう)極(きょく)殿(でん)・建(けん)極(きょく)殿(でん)の三殿も焼失した。神宗(しんそう)(万暦帝(ばんれきてい))はそれらを再建させるため、各地の巨木を都へ運搬させた。この詩は、このときの人民の労苦を歌っている。なお、後に皇極殿は太(たい)和(わ)殿(でん)に、中極殿は中(ちゅう)和(わ)殿(でん)に、建極殿は保(ほ)和(わ)殿(でん)に改称された。
  • 袁宏道 … 1568~1610。明の詩人。公安県(湖北省)の人。字(あざな)は中郎。号は石公。兄の宗道、弟の中道とともに「三袁」と呼ばれる。万暦二十年(1592)、進士に及第。反擬古主義を唱えた。出身地の名をとって、彼の一派を公安派という。『袁中郎全集』がある。ウィキペディア【袁宏道】参照。
賈客相逢倍惘然
賈(こ)客(かく)相(あい)逢(あ)うて 倍〻(ますます)惘然(ぼうぜん)
  • 賈客 … 商人。
  • 相逢 … 顔を合わせると。
  • 倍 … ますます。ふだんの日よりいっそう。
  • 惘然 … がっくりと気落ちした様子。
楩楠杞梓下西川
楩(べん)楠(なん)杞(き)梓(し) 西川(せいせん)を下(くだ)る
  • 楩 … 南方に生える楠に似た高木。材質が硬く、建築材料として使用される。
  • 楠 … くすのき。クスノキ科の常緑高木。香りがよく、材から樟(しょう)脳(のう)を採る。ウィキペディア【クスノキ】参照。
  • 杞 … おうち。楠に似た高木。木目が細かくなめらか。材木は家具などに使用される。
  • 梓 … ノウゼンカズラ科の落葉高木。建築材料として使用される。ウィキペディア【梓】参照。
  • 西川 … 今の四川省をいう。
  • 下 … 筏で川を下る。
青天處處橫璫乕
青天(せいてん) 処処(しょしょ) 璫(とう)虎(こ)横(ほしいまま)にして
  • 青天 … 青空。
  • 処処 … あちこち。いたるところ。南朝梁の元帝(蕭(しょう)繹(えき))「春日」詩(『玉台新詠』巻七・宋刻不収)に「春心 日日に異なり、春情 処処に多し」(春心日日異、春情處處多)とある。ウィキソース「春日 (蕭繹)」参照。
  • 璫虎 … 虎のような宦官。璫は、宦官が耳につける耳玉。虎は、宦官の凶暴性に喩える。
  • 横 … ほしいままにする。横暴。横行。
鬻女陪男償税錢
女(むすめ)を鬻(ひさ)ぎ 男(おのこ)を陪(ばい)し 税銭(ぜいせん)を償(つぐな)う
  • 女 … 娘。
  • 鬻 … 売る。
  • 男 … 男の子。
  • 陪 … 男の子を売った金で賠償する。代償とする。賠に同じ。
  • 税銭 … 税金。
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