常娥(李商隠)
常娥
常娥
常娥
雲母屏風燭影深
雲母の屏風 燭影深く
- 雲母屏風 … 雲母を張った美しい屏風。「雲母」は六角板状の結晶体をした珪酸塩鉱物の一種。「きらら」とも。ウィキペディア【雲母】参照。
- 燭影 … ともしびの光。
長河漸落曉星沈
長河漸く落ちて 暁星沈む
- 長河 … 天の川。
- 漸落 … しだいに傾いて。しだいに薄れて。
- 暁星 … 夜明けの空に消え残り、まばらに見える星。明け方の星。
- 沈 … 消える。
常娥應悔偸靈藥
常娥 応に悔ゆべし 霊薬を偸みしを
- 常 … 『唐詩三百首』では「嫦」に作る。
- 応 … 「まさに~すべし」と読み、「きっと~であろう」と訳す。再読文字。強い推量の意を示す。
- 悔 … 悔やむ。後悔する。
- 霊薬 … 不思議な効き目のある薬。ここでは常娥が盗んだ不死の薬を指す。
- 偸 … ひそかに盗む。
碧海青天夜夜心
碧海 青天 夜夜の心
- 碧海 … 青海原。青々とした大海原。
- 青天 … 青空。碧天。碧空。
- 夜夜 … 夜ごと。毎晩。
- 心 … 悲しんでいる心。
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