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常娥(李商隠)

常娥じょう
しょういん     
  • 〔出典〕 『唐詩三百首』七言絶句、『全唐詩』巻540、他
  • 七言絶句。深・沈・心(平声侵韻)。
  • ウィキソース「常娥」参照。
  • 常娥 … 『なん』に見える伝説上の女性。弓の名人であった夫の羿げい西せいおう(西方の崑崙山こんろんさんに住む仙女)からもらった不死の薬を盗んで飲み、月に逃げて月のせいになったという。じょうこうとも。
  • 常 … 『唐詩三百首』では「嫦」に作る。
  • 李商隠 … 813~858。晩唐の詩人。懐州だい(河南省沁陽しんよう県)の人。あざなは義山。杜牧・おん庭筠ていいんとならんで晩唐期を代表する詩人。ウィキペディア【李商隠】参照。
雲母屏風燭影深
うん屏風へいふう しょくえいふか
  • 雲母屏風 … 雲母を張った美しいびょう。「雲母」は六角板状の結晶体をしたけい酸塩鉱物の一種。「きらら」とも。ウィキペディア【雲母】参照。
  • 燭影 … ともしびの光。
長河漸落曉星沈
ちょうようやちて ぎょうせいしず
  • 長河 … 天の川。
  • 漸落 … しだいに傾いて。しだいに薄れて。
  • 暁星 … 夜明けの空に消え残り、まばらに見える星。明け方の星。
  • 沈 … 消える。
常娥應悔偸靈藥
じょう まさゆべし 霊薬れいやくぬすみしを
  • 常 … 『唐詩三百首』では「嫦」に作る。
  • 応 … 「まさに~すべし」と読み、「きっと~であろう」と訳す。再読文字。強い推量の意を示す。
  • 悔 … 悔やむ。後悔する。
  • 霊薬 … 不思議な効き目のある薬。ここでは、常娥が盗んだ不死の薬を指す。
  • 偸 … ひそかに盗む。
碧海青天夜夜心
碧海へきかい 青天せいてん 夜夜よよこころ
  • 碧海 … あお海原うなばら。青々としたおお海原うなばら
  • 青天 … 青空。碧天。碧空。
  • 夜夜 … 夜ごと。毎晩。
  • 心 … 悲しんでいる心。
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