憲問第十四 30 子曰君子道者三章
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子曰、君子道者三。我無能焉。仁者不憂、知者不惑、勇者不懼。子貢曰、夫子自道也。
子曰、君子道者三。我無能焉。仁者不憂、知者不惑、勇者不懼。子貢曰、夫子自道也。
子曰く、君子の道なる者三あり。我能くする無し。仁者は憂えず、知者は惑わず、勇者は懼れず。子貢曰く、夫子自ら道うなり。
現代語訳
- 先生 ――「人物の心がけが三つあるが、わしはどれもダメだ。なさけの人には不安がない。チエの人には迷いがない。勇気の人にはおそれがない。」子貢 ――「先生ご自身のことなんだ。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 先師がいわれた。――
「君子の道には三つの面があるが、私はまだいずれの面でも、達していない。三つの面というのは、仁者は憂えない、知者は惑わない、勇者はおそれない、ということだ」
子貢がいった。――
「それは先生がご自分でおっしゃることで、ご謙遜だと思います」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
- 憂 … くよくよする。心配する。
- 惑 … どう判断してよいか迷うこと。
- 懼 … 恐れる。怖がる。動揺する。
- 子貢 … 前520~前446。姓は端木、名は賜。子貢は字。衛の人。孔子より三十一歳年少の門人。孔門十哲のひとり。弁舌・外交に優れていた。ウィキペディア【子貢】参照。
補説
- 仁者不憂。知者不惑。勇者不懼 … 「子罕第九28」にやや順序をかえて重出。
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