子路第十三 14 冉子退朝章
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冉子退朝。子曰。何晏也。對曰。有政。子曰。其事也。如有政。雖不吾以。吾其與聞之。
冉子退朝。子曰。何晏也。對曰。有政。子曰。其事也。如有政。雖不吾以。吾其與聞之。
冉子朝より退く。子曰く、何ぞ晏きや。対えて曰く、政有り。子曰く、其れ事ならん。如し政有らば、吾を以いずと雖も、吾其れ之を与り聞かん。
現代語訳
- 冉(ゼン)先生が勤めから帰った。先生 ――「どうしておそいのじゃな…。」返事 ―― 「公用でして。」先生 ――「私用だろうよ。もし公用があれば、わしは現役でなくても、相談にあずかるはずじゃ。」(魚返善雄『論語新訳』)
- 冉先生が役所から退出してこられると、先師がたずねられた。――
「どうしてこんなにおそくなったのかね」
冉先生がこたえられた。――
「政治上の相談がひまどりまして」
先師がいわれた。――
「いや、そうではあるまい。季氏一家の私事ではなかったかね。もし政治向きのことであれば私にも相談があるはずだ」(下村湖人『現代訳論語』)
語釈
- 冉子 … 孔子の門人、冉有。姓は冉、名は求。字は子有。魯の人。孔子より二十九歳若い。孔門十哲のひとり。政治的才能があった。ウィキペディア【冉有】参照。
- 朝 …季氏の私朝。
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