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論語 学而第一 1

01-01 子曰。學而時習之。不亦説乎。有朋自遠方來。不亦樂乎。人不知而不慍。不亦君子乎。
いわく、まなびてときこれならう。よろこばしからずや。ともり、遠方えんぽうよりたる。たのしからずや。ひとらずしていきどおらず、君子くんしならずや。
  • 子 … 先生。男子の尊称。ここでは孔子を指す。
  • 曰 … 「いわく」と読む。「のたまわく」と読んでもよい。送り仮名は「いわく」「わく」のどちらでもよい。
  • 学 … 学問する。ここでは『詩経』と『書経』を読み、礼とがくを学ぶこと。
  • 而 … 接続詞の働きをする置き字。「~して」「~て」と、直前の語に続けて読み、訓読しないことが多い。
  • 時 … やれる時はいつでもの意。「ときどき」の意ではない。
  • 不亦説乎 … 「またよろこばしからずや」と読む。「不亦~乎」は、「また~ずや」と読み、「なんと~ではないか」と訳す。詠嘆の形。
  • 亦 … 語調をゆるやかにする語。「~もまた」の意ではない。「た」「また」のどちらでもよい。
  • 説 … 「説」は「悦」と同じ、「よろこぶ」と読む。
  • 有朋自遠方来 … 後藤点(後藤芝山しざんのつけた訓点)では「朋有り、遠方より来たる」、道春点(林羅山のつけた訓点)では「朋、遠方より来たる有り」と読む。なお、武内義雄は「有朋とも(友朋)遠方よりきたる」と読んでいる(『論語』岩波文庫、『武内義雄全集 第二巻』所収)。
  • 朋 … 学問について志を同じくする友人。
  • 自 … 「より」と読み、「~から」と訳す。
  • 不亦楽乎 … 「またたのしからずや」と読む。詠嘆の句形。
  • 人不知而 … 「ひとしらずして」と読む。人が自分の学徳を認めてくれないこと。
  • 不慍 … 腹を立てない、不平不満をいだかないこと。新注に「慍は怒を含むの意(慍含怒意)」とあり、「いからず」とも読む。また、説文では「怨也」とあり、「うらみず」とも読む。
  • 不亦君子乎 … 「またくんしならずや」と読む。「なんと君子ではないか」と訳す。
  • 君子 … 徳の高いりっぱな人。人格者。反対は小人しょうじん
  • 下村湖人(1884~1955)は「先師がいわれた。聖賢の道を学び、あらゆる機会に思索体験をつんで、それを自分の血肉とする。なんと生き甲斐のある生活だろう。こうして道に精進しているうちには、求道の同志が自分のことを伝えきいて、はるばると訪ねて来てくれることもあるだろうが、そうなったら、なんと人生は楽しいことだろう。だが、むろん、名聞が大事なのではない。ひたすらに道を求める人なら、かりに自分の存在が全然社会に認められなくとも、それは少しも不安の種になることではない。そして、それほどに心が道そのものに落ちついてこそ、真に君子の名に値するのではあるまいか」と訳している(現代訳論語)。
学而第一 為政第二
八佾第三 里仁第四
公冶長第五 雍也第六
述而第七 泰伯第八
子罕第九 郷党第十
先進第十一 顔淵第十二
子路第十三 憲問第十四
衛霊公第十五 季氏第十六
陽貨第十七 微子第十八
子張第十九 堯曰第二十