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如し我を用うる者有らば、吾は其れ東周を為さんか

われもちうるものらば、われとうしゅうさんか
  • 出典:『論語』陽貨第十七5(ウィキソース「論語/陽貨第十七」参照)
  • 解釈:もしも私を用いてくれる者があるなら、この東方の魯に周のような理想国を再興させてみせよう。季氏の家臣であった公山こうざんふつじょうが陽虎の反乱に呼応してを拠点に反乱を起こした。このとき孔子を招聘しようとし、孔子もそれに応じようとしたときの孔子の言葉。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
公山弗擾、以費畔。召。子欲往。子路不説曰、末之也已。何必公山氏之之也。子曰、夫召我者、而豈徒哉。如有用我者、吾其爲東周乎
公山こうざんふつじょうもっそむく。す。かんとほっす。子路しろよろこばずしていわく、からんのみ。なんかならずしも公山こうざんかんや。いわく、われものは、いたずらならんや。われもちうるものらば、われとうしゅうさんか。
  • 公山弗擾 … 姓は公山、名は弗擾(じょうじゅうとも)。字は子洩。季氏の家臣。陽虎と親しく、陽虎の反乱に呼応して、費を拠点に反乱を起こした。このとき孔子を招こうとし、孔子もその招きに応じようとした。ウィキペディア【公山不狃】(中文)参照。
  • 費 … 地名。春秋時代の魯の領地の一つ。今の山東省費県にあたる。ウィキペディア【費県】参照。
  • 畔 … 反乱を起こす。「叛」に同じ。
  • 召 … 招く。招聘する。
  • 子路 … 前542~前480。姓はちゅう、名は由。あざなは子路、または季路。魯のべんの人。孔門十哲のひとり。孔子より九歳年下。門人中最年長者。政治的才能があり、また正義感が強く武勇にも優れていた。ウィキペディア【子路】参照。
  • 説 … 「よろこぶ」と読む。「悦」に同じ。
  • 末之也已 … 行かない方がよいですよ。「之」は「く」に同じ。「末」は「無」に同じ。
  • 也已 … 「のみ」と訓読し、「~だ」「~だけだ」と訳す。断定をあらわす助辞。
  • 之之也 … 最初の「之」は「これ」と訓読し、後の「之」は「く」と訓読する。
  • 豈徒哉 … 単なる思いつきではあるまい。何か考えがあるはずだ。
  • 為東周 … 東方に周のような理想国を再興させてみせよう。魯は周の都より東方にあったので、こういう表現になったのであろう。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「陽貨第十七5」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句