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巧詐は拙誠に如かず

巧（こう）詐（さ）は拙誠（せっせい）に如（し）かず
  • 出典：『韓非子』説林（ぜいりん）上（ウィキソース「韓非子/說林上」参照）
  • 解釈：巧みにごまかしたものは、拙（つたな）くても誠意・真心のあるものには及ばない。「巧（こう）偽（ぎ）は拙誠（せっせい）に如（し）かず」とも。
  • 韓非子 … 二十巻五十五篇。戦国時代末期の思想家で、厳格な法治主義を唱え、信賞必罰を行うことを主張した韓（かん）非（ぴ）（？～前233）の著作を中心に、のちの法家一派の論を加えたもの。法による富国強兵と君主権の確立が説かれている。ウィキペディア【韓非子】参照。
故曰、巧詐不如拙誠。
故（ゆえ）に曰（いわ）く、巧（こう）詐（さ）は拙誠（せっせい）に如（し）かず、と。
  • 巧詐 … 巧みににだますこと。うまくごまかすこと。
  • 巧詐不如拙誠 … 『説苑（ぜいえん）』談叢では「巧偽不如拙誠」に作る。「巧（こう）偽（ぎ）」も「巧詐」と同義。
  • 拙誠 … 拙（つたな）いながらも誠意・真心のあること。
  • 不如 … 比較形。「A不如B」の形で「AはBにしかず」と読み、「AはBに及ばない」「AよりBの方がよい」と訳す。Aの部分が省略されることもある。「不若」も同じ。
樂羊以有功見疑、秦西巴以有罪益信。
楽羊（がくよう）は功（こう）有（あ）るを以（もっ）て疑（うたが）われ、秦西（しんせい）巴（は）は罪（つみ）有（あ）るを以（もっ）て益〻（ますます）信（しん）ぜらる。
  • 楽羊 … 魏の武将。楽羊は中山を攻めたとき、中山の君は人質に取っていた楽羊の息子を殺して羮（あつもの）を作り、楽羊に贈らせた。楽羊はそれを飲み干した。文侯は楽羊が中山から引き揚げてくると、その戦功を賞したが、自分の息子すら食うほどの者は誰でも食わないものはないだろう、と信用しなくなった。ウィキペディア【楽羊】参照。
  • 見 … 「る」「らる」と読み、「～される」と訳す。受身の意。ここでは「疑（うたが）わ見（れ）」。
  • 秦西巴 … 魯の大夫、孟孫の家臣。孟孫が猟をして子鹿を捕え、秦西巴に持ち帰るように言ったが、母鹿が啼いてついてくるので西巴は子鹿を返してやった。孟孫は怒って西巴を追放したが、三ヶ月後に召し返してわが子の守役に任じた。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句