絶句(趙孟頫)
絶句
絶句
絶句
- 〔テキスト〕 『松雪斎文集』巻五(『四部叢刊 初編集部』所収)、他
- 七言絶句。門・温・昏(平声元韻)。
- 趙孟頫 … 1254~1322。元初の政治家、書家、画家、文人。呉興(浙江省)の人。字は子昂。松雪道人・鷗波道人などと号した。諡は文敏。もと宋の皇族だったが、元に仕えた。書は王羲之の書風を継承した。著に『松雪斎文集』十巻がある。ウィキペディア【趙孟フ】参照。
春寒惻惻掩重門
春寒惻惻として重門を掩う
- 春寒 … 春の初めに残る寒さ。
- 惻惻 … 悲しみ傷むさま。
- 重門 … 敷地内の奥の門。
- 掩 … おおいかぶさる。
金鴨香殘火尚温
金鴨 香 残して 火尚お温かし
- 金鴨 … 金属で作った鴨形の香炉。
- 香残 … 香は消えかかっている。
- 火尚温 … 火はまだほのかに温かく感じられる。
燕子不來花又落
燕子来らず 花又落ち
- 燕子 … つばめ。
- 又 … さらにまた。今年もまた。
一庭風雨自黄昏
一庭の風雨 自ずから黄昏
- 一庭 … 庭全体。庭じゅう。庭いっぱい。
- 黄昏 … 夕暮れ。たそがれ。
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