九日陪元魯山登北城留別(蕭穎士)
九日陪元魯山登北城留別
九日 元魯山に陪して北城に登り留別す
九日 元魯山に陪して北城に登り留別す
- 五言絶句。深・心(平声侵韻)。
- 九日 … 陰暦九月九日、重陽の節句。
- 元魯山 … 元徳秀。字は紫芝。河南の人。魯山の県令になった。清廉高潔な人物であったという。
- 陪 … 陪席。
- 留別 … 別れて去っていく人が、書き残す作品。
- 九日陪元魯山登北城留別 … 『全唐詩』では「重陽日陪元魯山德秀登北城矚對新霽因以贈別(時元兄履有挂冠之意)」(五言古詩、全二十八句)のうち、第五句から第八句に作る。
- 蕭穎士 … 717~768。盛唐の詩人。潁州汝陰(安徽省阜陽市)の人。字は茂挺。開元二十三年(735)、進士に及第。秘書正字に任ぜられた。その後、集賢校理になったが、宰相の李林甫に憎まれ、広陵(江蘇省揚州市)の参軍事に左遷された。李林甫の死後、河南府(河南省洛陽市)の参軍事に任ぜられた。最後は汝南(河南省)で客死した。李華の友人。ウィキペディア【蕭穎士】参照。
綿連滍川迴
綿連として滍川迴かに
- 綿連 … 長く続いてとぎれないこと。
- 滍川 … 魯山に源を発し、汝水に合流する川。
杳渺鴉路深
杳渺として鴉路深し
- 杳渺 … 遠くて、かすかなさま。
- 鴉路 … 街道名。
彭澤興不淺
彭沢 興浅からず
- 彭沢 … かつて江西省彭沢の県令になった陶淵明のこと。陶彭沢とも称す。ここでは高潔の士である元魯山が県令を辞めて帰ろうとしたので、退隠した陶淵明と万事似ており、陶淵明になぞらえたもの。
- 興不浅 … 興が尽きない。感興深いこと。
臨風動歸心
風に臨んで 帰心を動かす
- 臨風 … 高い所で風に向かって立つ。
- 風 … 『全唐詩』には「一作流」とある。
- 帰心 … 故郷に帰りたいと思う心。
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