首春渭西郊行呈藍田張二主簿(岑参)
首春渭西郊行呈藍田張二主簿
首春、渭西の郊行、藍田の張二主簿に呈す
首春、渭西の郊行、藍田の張二主簿に呈す
- 七言律詩。西・泥・低・溪・攜(平声齊韻)。
- 『全唐詩』巻201所収。ウィキソース【首春渭西郊行呈藍田張二主簿】参照。
- 首春 … 春の初め。
- 渭西 … 渭水の西岸。
- 郊行 … 郊外を散歩すること。
- 藍田 … 地名。長安の南、終南山のふもとにある形勝の地。
- 張二 … 張某。二は排行。
- 主簿 … 官名。県令の属官。記録や文書を司った。
- 岑参 … 715~770。盛唐の詩人。湖北省江陵の人。天宝三載(744)、進士に及第。西域の節度使の幕僚として長く辺境に勤務したのち、右補闕・虢州長史(次官)・嘉州刺史などを歴任した。辺塞詩人として高適とともに「高岑」と並び称される。『岑嘉州集』七巻がある。ウィキペディア【岑参】参照。
囘風度雨渭城西
回風 度雨 渭城の西
- 回風 … つむじ風。
- 度雨 … 通り過ぎる雨。
- 渭城 … 秦の都であった咸陽の当時の地名。
細草新花踏作泥
細草 新花 踏めば泥と作る
- 踏作泥 … 踏まれて泥にまみれている。
秦女峰頭雪未盡
秦女峰頭 雪未だ尽きず
- 秦女峰 … 位置は不詳。
胡公陂上日初低
胡公陂上 日初めて低し
- 胡公陂 … 長安の西南、鄠県にあった堤の名。陂は堤。
愁窺白髮羞微祿
白髪を窺うを愁えて微禄を羞じ
- 微禄 … わずかな俸禄。
悔別青山憶舊溪
青山に別れしを悔いて旧渓を憶う
- 旧渓 … ふるさとの谷川。
聞道輞川多勝事
聞く道らく 輞川 勝事多しと
- 聞道 … 「きくならく」と読み、「聞くところによれば」「人の話によると」と訳す。「聞説」とも書く。
- 輞川 … 川の名。藍田のあたりを流れる。
- 勝事 … よい景色。
玉壺春酒正堪攜
玉壺の春酒 正に携うるに堪えん
- 玉壺 … 玉で作った美しい壺。
- 堪 … 十分である。申し分がない。
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