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興慶池侍宴応制(韋元旦)

興慶池侍宴應制
興慶(こうけい)池(ち)にて宴(えん)に侍(じ)す 応制(おうせい)
韋(い)元旦(げんたん)
  • 七言律詩。邊・年・船・筵・泉(下平声先韻)。
  • ウィキソース「興慶池侍宴應制 (韋元旦)」参照。
  • 興慶池 … 長安興慶坊にあった池の名。竜池ともいった。
  • 応制 … 天子の命令によって作られた詩文。南北朝の頃までは「応(おう)詔(しょう)」の用例が多い。唐代は則天武后の諱(いみな)「照(しょう)」の音を避けて「応制」を用いるようになった。皇太子・皇子の場合は「応令(おうれい)」「応(おう)教(きょう)」を用いる。
  • 韋元旦 … 生没年不詳。初唐の詩人。長安京兆万年の人。ウィキペディア【韋元旦】参照。
滄池漭沆帝城邊
滄(そう)池(ち)漭沆(もうこう)たり 帝(てい)城(じょう)の辺(ほとり)
  • 滄池 … 青々と水をたたえた池。興慶池を指す。
  • 漭沆 … 水面の広々としたさま。
殊勝昆明鑿漢年
殊(こと)に勝(まさ)る 昆明(こんめい)の漢年(かんねん)に鑿(うが)たれしに
  • 昆明 … 漢の武帝が長安に作らせた大きい池の名。昆明池。
夾岸旌旗疏輦道
岸(きし)を夾(はさ)む旌(せい)旗(き)は輦道(れんどう)を疏(ひら)き
  • 旌旗 … 旗指物。『孫子』軍争篇に「視(しめ)すとも相(あい)見(まみ)えず、故に旌旗を為(つく)る」(視不相見、故爲旌旗)とある。ウィキソース「孫子兵法」参照。また、北周の庾信「命を将(も)って鄴(ぎょう)に至り、祖正員に酬(こた)う」詩に「乏しきを承けて騏驥(きき)を駆り、旌旗もて琬珪(えんけい)を事とす」(承乏驅騏驥、旌旗事琬珪)とある。承乏は、人材の欠乏を補って登用されること。騏驥は、駿(しゅん)馬(め)。琬珪は、王の使者が印(しるし)として与えられる玉。ウィキソース「古詩紀 (四庫全書本)/卷125」参照。
  • 輦道 … 天子の車の通る道。
  • 輦 … 『全唐詩』には「一作遠」と注する。
中流簫鼓振樓船
中流(ちゅうりゅう)の簫(しょう)鼓(こ)は楼船(ろうせん)を振(ふる)わしむ
  • 中流 … 川の中ほど。
  • 簫鼓 … 笛と太鼓。
  • 楼船 … 二階作りの屋形船。
  • この一句は、漢の武帝「秋風の辞」に「楼船を汎(うか)べて汾(ふん)河を済(わた)り、中流に横たわりて素波を揚ぐ。簫鼓鳴りて櫂(とう)歌を発し、歓楽極まりて哀情多し」とあるのを踏まえる。
雲峰四起迎宸幄
雲峰(うんぽう)四(よ)もに起(おこ)りて宸幄(しんあく)を迎(むか)え
  • 宸幄 … 御座所。
水樹千重入御筵
水樹(すいじゅ)千(せん)重(ちょう) 御筵(ぎょえん)に入(い)る
  • 水 … 『全唐詩』には「一作寶」と注する。
  • 水樹 … 水際の木々。
  • 御筵 … 天子の宴席。
宴樂已深魚藻詠
宴楽(えんらく)已(すで)に深(ふか)くして魚藻(ぎょそう)詠(えい)ぜらる
  • 魚藻 … 『詩経』小雅の篇名。
承恩更欲奏甘泉
恩(おん)を承(う)けては更(さら)に甘泉(かんせん)を奏(そう)せんと欲(ほっ)す
  • 甘泉 … 前漢の揚雄「甘泉の賦」をいう。
テキスト
  • 『箋註唐詩選』巻五(『漢文大系 第二巻』、冨山房、1910年)※底本
  • 『全唐詩』巻六十九(排印本、中華書局、1960年)
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