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渡揚子江(丁仙芝)

渡揚子江
揚子江ようすこうわた
てい仙芝せんし
  • 五言律詩。明・城・生・聲(平声庚韻)。
桂楫中流望
桂楫けいしゅう 中流ちゅうりゅうのぞめば
  • 桂楫 … 桂の木で作った美しいかい。
空波兩畔明
空波くうは 両畔りょうはんあきらかなり
  • 空波 … 江上が広々と広がっているさま。
  • 両畔 … 両岸。
林開揚子驛
はやしひらく 揚子駅ようしえき
  • 揚子駅 … 揚子江の北岸にあった宿場。
山出潤州城
やまいだす 潤州じゅんしゅうじょう
  • 潤州 … 州名。現在の江蘇省鎮江市。『読史方輿紀要』江南、鎭江府に「こうようしゅういき春秋しゅんじゅうとき呉地ごちのちえつぞくす。戦国せんごくぞくす。しん会稽郡かいけいぐんし、かんこれる。……ずいちんたいらげ、しゅうぐんともはいし、えんりょうけんす。開皇かいこうじゅうねん潤州じゅんしゅうき、たいぎょうはじめ、しゅうはいし、こうぐんぞくす」(禹貢揚州之域、春秋時吳地、後屬越。戰國屬楚。秦爲會稽郡地、漢因之。……隋平陳、州郡俱廢、爲延陵縣。開皇十五年置潤州、大業初州廢、屬江都郡)とある。ウィキソース「讀史方輿紀要/卷二十五」参照。ウィキペディア【鎮江市】参照。
  • 城 … 町を囲む城郭。
海盡邊音靜
うみきて辺音へんおんしずかに
  • 海尽 … 海のはてまで。諸説ある。
  • 辺音 … 岸辺の波の音。また、「辺境地帯の音」とする説もある。『全唐詩』では「辺陰」に作る。こちらの意味も「海上の陰気」など諸説ある。
江寒朔吹生
こうさむくして朔吹さくすいしょう
  • 朔吹 … 北風。
更聞楓葉下
さらく 楓葉ふうようくだ
  • 楓葉 … かえでの葉。『全唐詩』では「風葉」に作る。こちらの意味は「風に吹かれた木の葉」。
淅瀝度秋聲
淅瀝せきれきとしてしゅうせいわたるを
  • 淅瀝 … 枯葉が散る音の擬声語。畳韻じょういん(同じ母音で終わる二字の熟語)の語となっている。
  • 度 … 「渡」に同じ。
  • 秋声 … 秋の音。こちらは畳韻語となっている「淅瀝」に対し、双声そうせい語(二字熟語の各字の頭子音が同じである熟語)となっている。
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北宋 南宋
唐詩選
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巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
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