>   漢詩   >   唐詩選   >   巻三 五律   >   房兵曹胡馬(杜甫)

房兵曹胡馬(杜甫)

房兵曹胡馬
房兵曹ぼうへいそう胡馬こば
杜甫とほ
  • 五言律詩。名・成・輕・生・行(平声庚韻)。
  • 房兵曹胡馬 … 房は姓。兵曹は官名、兵事をつかさどった。胡馬は西域地方に産した馬。『全唐詩』等では「房兵曹胡馬詩」に作る。
  • 杜甫 … 712~770。盛唐の詩人。じょうよう(湖北省)の人。あざな子美しび。祖父は初唐の詩人、杜審言。若い頃、科挙を受験したが及第できず、各地を放浪して李白らと親交を結んだ。安史の乱では賊軍に捕らえられたが、やがて脱出し、新帝しゅくそうのもとで左拾遺に任じられた。その翌年左遷されたため官を捨てた。四十八歳の時、成都(四川省成都市)の近くのかんけいに草堂を建てて四年ほど過ごしたが、再び各地を転々とし一生を終えた。中国最高の詩人として「詩聖」と呼ばれ、李白とともに「李杜りと」と並称される。『杜工部集』がある。ウィキペディア【杜甫】参照。
胡馬大宛名
胡馬こば 大宛だいえん
  • 大宛 … 西域にあった国。良馬の産地として有名。
鋒稜瘦骨成
鋒稜ほうりょう 痩骨そうこつ
  • 鋒稜 … ほこ先のとがった角。
  • 痩骨 … 肉が引き締まって痩せた骨格。
竹批雙耳峻
たけぎて 双耳そうじけわしく
  • 竹批 … 竹をいだように、耳が鋭く尖っている様子。
  • 双耳 … 両耳。
風入四蹄輕
かぜりて 四蹄していかろ
  • 四蹄 … 四つのひづめ
所向無空闊
かうところ 空闊くうかつ
  • 空闊 … 無限に広がる空間。
眞堪託死生
しんせいたくするにえたり
驍騰有如此
驍騰ぎょうとう かくのごとき
  • 驍騰 … 馬が勇ましくて強いさま。
萬里可橫行
ばん 横行おうこうすべし
  • 横行 … 自由自在に駆け回ること。
歴代詩選
古代 前漢
後漢
南北朝
初唐 盛唐
中唐 晩唐
北宋 南宋
唐詩選
巻一 五言古詩 巻二 七言古詩
巻三 五言律詩 巻四 五言排律
巻五 七言律詩 巻六 五言絶句
巻七 七言絶句
詩人別
あ行 か行 さ行
た行 は行 ま行
や行 ら行