房兵曹胡馬(杜甫)
房兵曹胡馬
房兵曹の胡馬
房兵曹の胡馬
- 五言律詩。名・成・輕・生・行(下平声庚韻)。
- ウィキソース「全唐詩/卷224」参照。
- 房兵曹胡馬 … 房は姓。兵曹は、官名。兵事を掌った。胡馬は、西域地方に産した馬。『全唐詩』等では「房兵曹胡馬詩」に作る。
- 杜甫 … 712~770。盛唐の詩人。襄陽(湖北省)の人。字は子美。祖父は初唐の詩人、杜審言。若い頃、科挙を受験したが及第できず、各地を放浪して李白らと親交を結んだ。安史の乱では賊軍に捕らえられたが、やがて脱出し、新帝粛宗のもとで左拾遺に任じられた。その翌年左遷されたため官を捨てた。四十八歳の時、成都(四川省成都市)の近くの浣花渓に草堂を建てて四年ほど過ごしたが、再び各地を転々とし一生を終えた。中国最高の詩人として「詩聖」と呼ばれ、李白とともに「李杜」と並称される。『杜工部集』がある。ウィキペディア【杜甫】参照。
胡馬大宛名
胡馬 大宛の名
- 大宛 … 西域にあった国。良馬の産地として有名。
鋒稜瘦骨成
鋒稜 痩骨成る
- 鋒稜 … ほこ先のとがった角。
- 痩骨 … 肉が引き締まって痩せた骨格。
竹批雙耳峻
竹批ぎて 双耳峻しく
- 竹批 … 竹を削いだように、耳が鋭く尖っている様子。
- 双耳 … 両耳。
風入四蹄輕
風入りて 四蹄軽し
- 四蹄 … 四つの蹄。
所向無空闊
向かう所 空闊無く
- 空闊 … 無限に広がる空間。
眞堪託死生
真に死生を託するに堪えたり
驍騰有如此
驍騰 此の如き有り
- 驍騰 … 馬が勇ましくて強いさま。
萬里可橫行
万里 横行す可し
- 横行 … 自由自在に駆け回ること。『史記』季布伝に「上将軍樊噲曰く、臣願わくは十万の衆を得て、匈奴の中を横行せん、と」(上將軍樊噲曰、臣願得十萬衆、横行匈奴中)とある。ウィキソース「史記/卷100」参照。また『戦国策』西周策に「是れ天下、秦を罷らさんと欲す。故に王に周を攻めんことを勧むるなり。秦、天下と倶に罷るれば、則ち令、周に横行せざらん」(是天下欲罷秦。故勸王攻周。秦與天下俱罷、則令不橫行於周矣)とある。ウィキソース「戰國策 (士禮居叢書本)/西周」参照。
テキスト
- 『箋註唐詩選』巻三(『漢文大系 第二巻』、冨山房、1910年)※底本
- 『全唐詩』巻二百二十四(排印本、中華書局、1960年)
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